創業セミナー・創業塾などでお話をさせていただく際に、
「創業の実態」として、創業後の生存率のデータをお見せすることがあります。
その際は、中小企業白書2006年版 第1-2-21図 開業年次別・事業所の経過年数別生存率を使ったデータを紹介しています。
2006年というと、10年以上も古いデータになってしまうのですが、2006年版のデータを使っているのには、わけがあります。
中小企業白書2011年版や2017年版にも、似たような内容の統計データが掲載されています。
中小企業白書2011年版 第3-1-11図
創業1年後の生存率:97%
創業5年後の生存率:82%
創業10年後の生存率:70%
中小企業白書2017年版 コラム2-1-2②図
創業1年後の生存率:95.3%
創業5年後の生存率:81.7%
しかし、いずれの集計元も帝国データバンク内での資料であるため、ある程度大きな企業規模の生存率が集計されています。
そのせいか、生存率は比較的高めの結果が出ていると、感じています。
反面、中小企業白書2006年版の集計対象は、「製造業に限られ、また従業者4人以上の事業所に限定されている」とされています。
前述の元データに比べると、事業規模として創業の実態により近いものであると、私は判断をしています。
個人事業所の生存率
開業年と開業後の経過年数に応じた生存率が棒グラフに、開業後の経過年数に応じた平均生存率の推移が折れ線グラフになって表現されています。
実力やノウハウがついたり、固定客がついたりして、経営が安定してくればつぶれにくくなる、ということから、経過年数がたつほど、その年の生存率は、開業後しだいに安定する傾向であることがわかります。
生存率の求め方
●年後の生存率を求める場合は、
前年の生存企業に対して、その年の生存率を掛け合わせていきます。
1年後の生存率=1 × 1年次の生存率
2年後の生存率=1 × 1年次の生存率 × 2年次の生存率
3年後の生存率=1 × 1年次の生存率 × 2年次の生存率 × 3年次の生存率
※生存率の計算結果を表にまとめてあります。
創業セミナー・創業塾などでお話をさせていただく際に、私は、ここの数値を使って生存率をお伝えすることにしています。
創業1年後の生存率:62.3%
創業5年後の生存率:25.6%
創業10年後の生存率:11.6%
法人の生存率
個人と法人との違いでは、個人事業所は会社に比べ生存率が低く、安定に要する期間も長い、という特長があります。