小規模事業者持続化補助金は、多くの事業者にとって貴重な支援策となっています。
でも、申請書類の中で、意外と見落とされがちなのが「補助事業で行う事業名」です。今日は、この30字以内の短い文章が、実は採択を大きく左右する可能性があることをお伝えしていきます。今回は、セミナーで仕入れた事務局裏話もありますので、ご期待ください。
補助事業名は何に使う?
実は、採択された場合、この事業名が事業者名とともに公表されています。
また、下記で説明するように審査の過程でも重要な役割を果たしています。
補助事業名は工夫が必要?
まず事業計画名を見て、瞬時に事業概要をイメージできることが望ましいです。
例えば、「販路拡大のための広告事業」という事業計画名だけでは、、、う〜ん。
「働くママへの認知度向上に駅ナカ広告を活用した販路拡大事業」では、どうでしょう?
駅ナカ広告をするんだな、認知度を上げたいんだな、ということが、タイトルだけで読み取ることができます。
また、ママ、特に働くママという表現で、比較的小さな子どもを持つ女性層がターゲットであることがイメージできますね。
本文を見なくてもタイトルだけで、やりたいことがなんとなくわかる、と審査員が点数を付けやすくなりますね。
補助事業名を書くコツは?
【誰に】【何を】【どのように】【どのような効果を得るか】を意識してみましょう。
※30字以内という制限があるので、全てを書くことは難しいと思います。2つくらいがあるといいかもしれません。
「働くママへの認知度向上に駅ナカ広告を活用した販路拡大事業」(28字)を例に考えてみましょう。
・誰に:働くママ
・何を: −
・どのように:駅ナカ広告
・効果:認知度向上
採択者一覧も参考にしてみてください。
一工夫して、キャッチーなタイトルにしている事業者が多いですね。
※以下は、事務局の審査委員長の講演から得た情報です。
30字を超えていた場合、どうなる?
まず、補助事業名を理由に、不採択となることはありません。
上記で挙げた採択者一覧にも、40字を超えるような事業計画名の事業者も採択されています。
40字を超えるような事業計画名は、途中で切られて表示されています。
審査では、どのような影響を与える?
どうやら、採択を決める最終段階で、点数が同点だった場合に重要になってくるようです。
例えば、69点で100人いて、そのうち40人を採択、60人を不採択、としなければならない場面があったとします。
その場合、改めて69点の事業計画書を読み直して採択を決めるのではなく、事業計画名から判断して、より効果の高そうな事業者を選ぶ、ということだそうです。
つまり、同点決勝の場合に、事業計画名の一覧だけで最終決定が下されます。
事業計画名だけでは何をするか伝わらないネーミングでは、選ばれない可能性が高くなります。
また、長い事業計画名は途中までしか表示されていない、とのことなので、損をする可能性があります。
以上のことから、しっかりと事業計画名を練っておくことが大切です。
確実に採択を狙うためには、30字とはいえ、侮ってはいけませんね。
まとめ
補助事業名作成の重要ポイントをおさらいしておきましょう。
- 30字以内で事業の本質を伝える
- 【誰に】【何を】【どのように】【どのような効果を得るか】の要素を意識する
- 具体的でキャッチーな表現を心がける
- 同点決勝の可能性を考慮し、一目で内容が伝わるようにする
小規模事業者持続化補助金の採択を勝ち取るためには、事業計画全体の質を上げることはもちろん大切です。しかし、その中でも補助事業名という小さな要素が大きな影響を持つ可能性があることを忘れないでください。30字という限られた文字数の中で、あなたの事業の魅力を最大限に伝えられるよう、工夫を重ねてみてください。きっと、採択への近道となるはずです。