今回は、公的機関(都道府県や自治体)が関与する『制度融資』についてお伝えしていきます。
自治体が融資を取り扱っていることを、多くの経営者様が知らないんです。
使い方によっては、とてもメリットが大きいので、ぜひ知っておいていただきたいところです。
制度融資とは
都道府県や市区町村などの自治体が制度を定め、信用保証協会の保証をつけて行う融資です。
※実際にお金を貸し出すのは金融機関であり、自治体がお金を貸すわけではありません。
※信用保証協会とは、企業が金融機関から資金を借り入れる時に、保証人となってお金を借りやすくなるようにサポートしてくれる公的な機関です。
利用にあたり、数%の保証料を支払います。
制度融資の優遇措置
利子補給制度
多くの制度融資では、銀行へ支払う利息の一部を、自治体が補填するような制度となっています。
事業者の実質負担利率が1%未満になることも多いです。
なかには利息の実質負担が0になる自治体もあります。
保証料補助制度
信用保証協会へ支払う保証料の全部または一部を自治体が負担する制度をとる自治体もあります。
制度融資の注意点
制度融資の多くは、申し込みから融資実行までに、2〜3ヶ月の時間がかかってしまいます。
これは、自治体・信用保証協会・金融機関と、3者がそれぞれ審査を行うためです。
そのため、緊急性の高い資金調達手段としては向いていません。
制度融資の事例
東京都中野区
☑ 創業支援資金
概要:創業1年未満の方を対象に、区のあっ旋を受け、取扱金融機関にお申込みいただくことで区から金利の一部補助が受けられる
優遇措置:1.5%の利子を補給するので、本人が負担する実質利率が0.4%となります。
※ビジネスプランコンテスト入賞者や区内商店街出店の場合は、本人負担が0になります。
その他に
☑ 事業活性化支援資金
☑ ICT・コンテンツ事業者支援資金
☑ 商工団体向け融資
などがあります。
参考:中野区公式HP
東京都墨田区
☑ チャレンジ支援資金
概要:開業して5年未満の区内事業者を対象に、区のあっ旋を受け、取扱金融機関にお申込みいただくことで区から金利の一部補助が受けられる
優遇措置:1.8%の利子を補給するので、本人が負担する実質利率が0.2%となります。また、信用保証料を区が全額負担します。
☑ 経営安定資金
優遇措置:1.8%の利子を補給するので、本人が負担する実質利率が0.2%となります。また、信用保証料を区が全額負担します。
☑ 運転資金
優遇措置:1.0%の利子を補給するので、本人が負担する実質利率が1.2%となります。
☑ 設備資金
優遇措置:1.2%の利子を補給するので、本人が負担する実質利率が1.0%となります。
その他にも、区内中小企業の事業経営上必要な資金の調達を容易にするために、取扱金融機関に低利・長期の融資をあっせんしています。
参考:墨田区公式HP
千葉県千葉市
☑ チャレンジ資金
概要:開業して5年未満の市内事業者を対象に、市からのあっ旋を受け、取扱金融機関にお申込みいただくことで市から金利の一部補助が受けられる
優遇措置:1.4%の利子が補給され、本人が負担する実質利率が0.1〜0.8%(返済期間により異なる)となります。
☑ 経営安定資金
優遇措置:0.8%の利子が補給される
その他にも、事業拡充、経営安定、創業支援等で制度が設けられています。
参考:千葉市公式HP
融資制度の調べ方
3つの自治体を例にご案内しましたが、利子補給や保証料の負担など、とても大きなメリットがあることがご理解いただけたかと思います。
自治体HPなどに掲載されていますので、近隣の自治体「◯◯市(◯◯県)制度融資」で検索してみてください。