創業補助金や融資の支援希望でしたが、、、創業そのものを止めた事例

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創業希望のAさん(女性)から相談があった事例をお伝えしておこうと思います。

最初は、創業補助金について聞いてみたい、との問い合わせだったのですが、合わせて、店舗の賃貸契約や造作などにかかる費用を見越して融資を受けたい、というニーズがありました。

Aさんの経歴

Aさんは、昔から甘いものが好きで、話題のスイーツが出れば、一人でも食べに出向く趣味をお持ちでした。

そんなAさんは現在40代後半、家族構成はご主人と子ども1人(まもなく高校卒業)の3人家族です。
Aさんはずっと専業主婦でしたが、現在は事務のパートをされていて、家庭の事情に融通を効かせてくれる職場や、今の仕事内容にそれなりにやりがいを感じていて満足しているようでした。

しかし、自分でスイーツの店(スイーツがウリの喫茶店)をやってみたい、という夢がある、とのことで、一念発起で創業を考えているようでした。

事業資金としては、家庭の貯金とは別に、へそくり(!)をコツコツと貯めてきており、事業用に100万円ちょっとあり、創業が現実的になるなら、ご主人と相談して、貯金の中から100万円は出せる、とのこと。

しかし、さらに話を伺ってみると、Aさんは、主婦として家族の食事は提供していますが、ビジネスとして、飲食店で働いた経験、料理をした経験は一切なく、料理学校の学歴や調理師免許などもない、とのことで、まったくのゼロからのスタートで考えていらっしゃる様子でした。

取扱商品(メインメニュー)◯◯については、家庭でも作ろうと思えば作れるシンプルなスイーツで、レシピはネットで調べられるので、街ナカにも似たような店舗はたくさんあるので、Aさんなりの味で提供できるだろう、とのこと。

支援をお断りした理由

今の時点では、創業補助金申請も、融資支援もお断りすることにしました。
正しくは、創業そのものを思い留まってもらった、という終わり方でした。

その理由は、経験のなさでした。

飲食業を開業される場合は、飲食店での経験が必須です。
有名店で◯年の修行をしてきた、何年も近隣地域で趣味の料理教室をやってきた経験がある、店長や経営部門、エリアマネージャーとして店舗を管理してきた経験がある、などであれば問題はありませんが、せめて、パートやアルバイトで飲食店で働いた経験、できればリーダー経験程度は欲しいです。

競合には、長年続けてきた経験のある老舗店舗や、名のあるスイーツ会社を辞めて独立した方、名のあるコンテストなどで入賞をしている方、などであっても、経営には苦労している状態であるのに、飲食店経験もないAさんが太刀打ちできるはずがありません。

今、創業をしてしまうと、上記理由で融資審査に落ちてしまうことが目に見えているのと、仮に融資が受けられたとしても、事業がうまくいかずに廃業してしまう可能性が高いからです。

Aさんへのアドバイス

飲食店を開業したいAさんへのアドバイスとして、
☑1年程度、飲食店(できればスイーツがウリの喫茶店)で働いてください
☑スイーツだけでなく、経営を学んでください
☑Aさんオリジナルのこだわりを作ってみてください
☑たくさんの人に食べてもらい、感想をもらってください
☑ご家族とは今から話し合い、全面的に応援してくれる体制を整えてください
☑お金は継続してコツコツと、銀行口座に入れておいてください

1〜2年後に、開業が現実的になって、相談に来ていただけることを願っています!

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