10倍の価格でも売れるにはどうするか考えてみよう!
ビジネス世界における競争は日々激化しています。
これまで多くの企業が低価格競争に参加した結果、値上げできない状況が長く続きました。
低価格をウリに集客することはとても簡単です。
ですが、低価格では利益に反映されず、売っても売っても儲からない状況が続き、企業は疲弊して行ってしまいます。
「価格を10倍に設定する」というのは、大胆な戦略のように思えますが、決して無理な話ではありません。500円のフルーツが、デパートでは5000円で売られています。 一食3000円の居酒屋もあれば、3万円、5万円する飲食店もありますね。
この高価格戦略を成功させるためにどうしたらよいか、考えること、実践することこそがマーケティングなのです。
Price:価格決定の心理学
稲盛和夫氏の「値決めは経営」という名言は有名であるように、価格設定は単に数字を決める行為ではありません。
自社の視点
製品やサービスの市場における位置づけ、ブランドイメージ、そして最終的には企業の業績に直接影響を与える重要な要素です。価格設定によって、製品が高級品として認識されるか、あるいはコストパフォーマンスが高いと評価されるかが決まります。
適切な価格設定は、企業の利益を最大化し、コストをカバーすることを目的としています。価格が高すぎると顧客に敬遠され、低すぎると利益が得られない可能性があるため、市場調査やコスト分析に基づいた慎重な決定が求められます。
長期的な視点で見た場合、価格設定は企業の持続可能性に直結します。過度に低い価格設定は短期的には顧客を惹きつけるかもしれませんが、長期的には企業の収益性や成長を損なう可能性があります。
顧客の視点
また、顧客の視点では、価格は顧客が製品やサービスに対して感じる価値を反映します。高価格設定は、製品の独特さや品質、ブランド価値を顧客に伝える手段となり得ます。一方で、顧客が価格に見合った価値を感じない場合、販売は難しくなります。
競合の視点
適切な価格設定は、市場での競争力を高めます。価格は競合との差別化要素になり得るため、競合調査を行い、市場ニーズに合わせた価格戦略を立てることが重要です。
そして、マーケティングの基本である4Pを通して、
・Price(価格) ← 10倍になるように考えてみる
・Product(製品)
・Place(流通経路)
・Promotion(販売促進)
それぞれの観点でも考えていきましょう!
Product:製品の差別化とブランド構築
高価格戦略を成功させるには、高品質であること、製品の明確な差別化が不可欠です。
高品質
高品質であることは当然です。
飲食店をイメージしていただくとわかりやすいと思うのですが、
最近、新規出店をする飲食店で「まずい」お店はほとんどありません。
どの店に入っても、それなりに美味しい。
ましてや、どの飲食店も、立派な経歴・経験を持ったシェフが始めるような店ばかりです。
ですから、商品やサービスが高品質であることは当然なのです。
差別化
また、顧客にとって明らかに他とは異なる(差別化)、特別な価値を提供することが求められます。
その特別感が強力なブランドイメージを生み出します。ブランドが顧客にとって意味深いものであればあるほど、高価格であっても購入する動機が高まります。顧客がブランドに対して特別な感情や信頼を持つようにするためには、継続的なコミュニケーションと一貫したブランド体験の提供が必要です。
Promotion:効果的な販売促進戦略
高価格製品の成功は、効果的な販売促進戦略によっても大きく左右されます。
販促品が高価格の製品に見合っているか、例えば、ホームページが安っぽいデザインに見えないか、パンフレットの紙質が薄っぺらくなっていないか、見直すことが必要です。
そして、単に製品を売るのではなく、顧客のライフスタイルや価値観に結びつけることが価格に反映されることも大切です。例えば、限定版、カスタマイズ可能なオプション、独占的なサービスなどを提供することで、製品の特別感を高めることができます。
さらに、ターゲット市場に合わせた独創的な販売戦略を展開することで、顧客の関心を惹きつけることができます。
Place:コミュニケーション戦略
効果的なコミュニケーションは、高価格戦略において不可欠です。
マーケティングコミュニケーションを通じて、製品の独特な価値と顧客にとっての意義を伝えることが重要です。これには、ストーリーテリングや顧客との直接的な対話が有効です。また、顧客との長期的な関係構築を目指し、信頼とロイヤルティを築くことも重要です。
定期的なフィードバックの収集と応答、顧客参加型のイベントの開催などを通じて、顧客との結びつきを強化します。
まとめ
価格設定はマーケティングの最も重要な部分であり、低価格競争で疲弊することは企業の存続に大きく影響します。
この記事では、マーケティングとはなにかを考えるにあたり、価格設定を大きく上げることによる全体戦略を考えることを提案しています。
自社の商品サービスが10倍の価格で売れるようになるには・・・?と考えてみてください。