私は経営コンサルタントとして、日々の業務でAIツールを活用しています。
コンサルタントの仕事には、情報収集、分析、レポート作成など、かなり時間のかかる作業が多いですよね。
実は、これらの業務の多くをAIツールで効率化しています。例えば、従来2時間かかっていた報告書作成が30分で完成するようになりました。
今回は、実際に私が活用している具体的なツールと、その効果についてお話ししたいと思います。特に、業務効率化とクライアントへの価値提供を最大化するポイントに焦点を当てています。
AIを活用することで、より戦略的な思考や価値提供に時間を使えるようになってきていますので、ぜひ参考にしていただければと思います。
実践的なAIツールの活用事例
音声文字起こしと議事録作成
まずはクライアントとの会議の議事録や報告書作成。
この作業、みなさんも大変だと感じていませんか?
私は音声認識AI「Notta」を使って、議事録や報告書作成を効率化しています。
Nottaはリアルタイムで音声を文字データに起こしてくれ、後から内容を見直すのも簡単。面談中にメモに気を取られることなく、話に集中することができるようになります。
実際に行う作業としては、Nottaにアクセスして、AI要約ボタンを押す(もしくは、下記で紹介するNotionに転送して、Notion上で要約ボタンを押す)だけで、簡易な議事録が、わずか1分に短縮されました。
もちろん報告書のような所定の形式が決まっていて、文量が多く内容にこだわる場合であっても、1〜2時間かかっていた作業が30分程度になりました。この時間の節約は本当に大きいです。
情報収集と分析の効率化
情報収集には、AIを活用した検索エンジン「Felo」を使っています。
Feloのすごいところは、Google検索と違って、質問に対して即座に整理された回答を提供してくれることです。Google検索は、指名検索以外で使わなくなりました。
また、市場調査やベンチマーク分析には、「Genspark」を使用しています。
特にAutopilotエージェントという機能は、データ検索、ファクトチェックを指示しておくと、(10-20分ほど時間がかかりますが)調査をしてレポートのようにして出力してくれます。まさにアシスタントです。
例えば「中野区の人口動態は増加傾向にあるか?直近5年で増減の多い町丁目はどこか?」とデータ検索を依頼すると、単なるウェブページの羅列ではなく、指示した意図を読み取り、適切な視点での調査結果や実施プロセスなどが整理された形で表示されます。自分で最終確認必要があるとしても、情報収集の時間が大幅に減ることは間違いありません。
顧客管理/ナレッジ管理の最適化
クライアント情報や進捗管理、メモなどの管理には、プロジェクト管理ツールNotionとNotion AIを組み合わせて使っています。
Notionは、情報を階層的に整理できるツールで、たくさんのクライアント、プロジェクトを抱えるコンサルタントはぜひ使ってほしいです。(基本、無料で使えます)
さらにNotion AIを使うと、Notionの中にある顧客情報から必要な要点を抽出したり、サマリーを生成したりできます。Notionだけでは、実際に整理することはできても、その情報を素早く有効的な形に取り出すことが大変でしたが、NotionAIを組み合わせることで、一気に活用の幅が広がりました。
例えば、「あのクライアント、今どういうステータスだっけ?次、なにするんだっけ?」「今、優先すべきクライアントはどこ?」という場合に、いちいち過去の履歴(議事録や報告書)を読み返す必要はありません。Notion AIに確認をすれば、AIが即座に整理して教えてくれます。
上記で紹介したNottaで、面談の文字起こしを入れておくと、NotionのなかでもAIが会話を分析してくれますので、きれいな文章に整えておく必要すらありません。
また、蓄積してきたノウハウ/経験をAIが整理してくれる点も、とても有効です。
過去の類似案件の情報を素早く参照したり、ベストプラクティスを効率的にピックアップしたりできるようになりました。特に新規案件の提案作成時には、Notion AIが本当に役立っています。
今後の展望と準備すべきこと
AI技術、サービスは日々進化していて、コンサルティング業務にもどんどん新しい可能性が生まれています。このようにAIによって効率化できる業務に時間を取られることなく、より本質的な価値提供に注力できる時代が来ているのです。
でも、大切なのは「AIに仕事を任せきり」にしないこと。AIはあくまでもツールです。私たちコンサルタントの役割は、AIを上手く使いながら、より質の高い分析と提案を行うこと。そのためには、AIリテラシーを高めつつ、コンサルタントとしての本質的な価値提供能力も磨き続ける必要があります。
まずは1つでも試してみてください。
きっと、業務の効率化と価値提供の向上を実感できるはずです。