「AIに聞けばわかるなら、コンサルはいらないよな」
言われたとき、不安にはなりませんでした。むしろ、前からぼんやり感じていたことに言葉がついた気がしました。
知識を売る仕事の値打ちは、確実に変わった
マーケティングの型、決算書の読み方。かつては専門家に聞くしかなかったことが、質問の仕方さえ間違えなければ、そこそこ正確に返ってくる時代になりました。一般論の範囲に限られるとはいえ、以前とは違います。
実際、打ち合わせで「AIに聞いたら分かりました」と言われる場面が増えました。これは脅威ではなく、前提が変わったということです。知識を持っている側が強い、という構図はもう終わりつつある。そこに乗り続けるほうが、よほど危ういと感じています。
では、なぜ働くのか
仕事の中身が変わるという話をしているうちに、問いが自分に返ってきました。
出てきた答えは、「信頼してくれている人と一緒に働きたい」でした。知識を売りたいわけでも、実績を積みたいわけでもない。隣に並んで同じ方向を見ていたい。それだけでした。
コンサルタントという肩書は便利です。ただ、その便利さが関わり方を見えにくくすることがあります。助言する側と動く側、という距離が自動的にできてしまう。それを窮屈だと感じる場面が増えていました。
これから増えるのは、超小規模チーム
AIが行き渡ったあと、私が想像しているのはこういう形です。
社長が1人いて、その周りにAI担当、マーケ担当、お金担当のような役割が並ぶ。雇用契約があるわけではないけれど、実質そのポジションで動いている関係。月額のコンサル料ではなく、毎週一緒に手を動かすメンバーとしての立ち位置です。
いまクライアントと関わっていて手応えがあるのも、その感覚に近い時間です。チャットのスレッドで「これ、こういう使い方ができますよ」「先週試したやつ、どうでした」と続いていくやり取り。提案するというより、一緒に走っている感じがします。
横に並ぶと、見えるものが変わる
外から関わると、どうしても「課題を整理して提案する」役回りになります。それが要る場面もある。ただ、横に並んで同じ景色を見ていると、提案より先に「ああ、ここで引っかかっているんだな」が分かります。
現場の事情を知っている人間がその場で動けるのと、外から来た人が提案書を持ってくるのとでは、速さが違います。知識で差がつかなくなった以上、残るのは相手の事情をどれだけ知っているかです。そしてこれは、時間をかけないと溜まりません。信頼がなければ、そもそも溜まる場所に入れてもらえない。
何を売るかではなく、誰とどう関わるか。AIが何でも答えるようになって、その答えのほうがむしろはっきりしました。
▶ AI活用マップ|コラム:AI普及後の、コンサルタントという仕事
この関わり方をサービスの形にしたものも、AI活用マップで紹介しています。
