補助金申請に関する相談を受けて、説明をすると、多くの方がおっしゃいます。
「補助金申請って大変なんですね」
はい。大変だと思います。
特に、本業をされながら、補助金の事務作業などに時間を割くことになります。
時間的にも、肉体的にも、大変です。
「もっとラクに進められるのかと思っていました」
「ラク」という言葉の裏には、いくつかの意味がありますので、よくあるケースで解説をしてみたいと思います。
申請すれば誰でももらえると思っていた
要件を満たしさえすれば、申請すれば誰でも受給できる制度もあります。(要件制度)
厚生労働省系の雇用関係の助成金などは、一定の要件を満たす事業者であれば、受給することができます。
一方で、経済産業省系の補助金の多くは、応募多数の中から限られた事業者だけが選ばれ受給できる制度となります。(予算制度)
ですから、まずは選ばれなくてはなりません。
学校の入学試験で言うと、合格を勝ち取らなくてはなりません。
補助金制度では、採択と言います。
採択されるためにはどうすればいいか、をまず理解することが先決です。
ちゃっちゃっと書類を出せば申請できると思っていた
書類=事業計画書、というものを提出することになります。
この事業計画書で審査され、採択が決まりますから、
A41枚で済ませてしまうレベルではないんです。
作成する期間にして、最低でも2週間程度。
時間にしても、のべ5〜10時間くらいかかるのではないでしょうか。
補助金の書類は、ちゃっちゃとできないのです。
採択されればすぐにお金が振り込まれると思っていた
先にお金が振り込まれたら、どうでしょう??
「やったー!」と、盛大に飲みに行きたくなっちゃいませんか?
車とか買って事業に使うお金が残っていません、なんて事態になりかねません。
そんなことにならないように、(原則として)経費を使うことが先で、使った経費を審査してから補助金が後払いで入金されます。
もし、当面の経費を捻出するだけの資金がないようであるならば、先に融資などで資金を工面しておくことも必要になります。
補助金申請で心がけること
計画書作成に最善を尽くす
基本的に、補助金申請はやり直しがききません。
例えば、記入漏れがあったので、もう1度提出し直す、といったことができません。
次の募集があれば、もう一度チャンスはありますが、必ず次がある保証はありません。
ですから、最善を尽くして、万全の対応をして、申請準備をすることが必要です。
指定されたルールに則る
これをしてはいけません、いつまでに提出、などのように、ルールは絶対です。
きちんとルールを理解して、そのルールに則って進めなければなりません。
事前の話であれば、事務局も相談に乗ってくれたり、変更の届出などによって対応できたりしますが、
「ルールをわかっていませんでした、でも、なんとかしてほしい」という事後の融通は一切効かないものだと思ってください。
最後の報告まできちんと行う
補助金入金前には、経費の適正さを確かめる検査が行われます。
ですから、必要書類として指定されている資料は、耳を揃えて準備しなくてはなりません。
ここで躓くと、補助金入金が遅れるだけでなく、最悪、補助金がカットされてしまいます。
また、制度によっては、5年間の報告義務を設けていたり、
期間中に本社を移転してはならない、などの制約を設けている補助金もあります。
このように目先の補助金がもらえることに魅力を感じる事業者様が多くいらっしゃいますが、
その裏にある”地味な大変さ”も理解したうえで、申請準備を進めていただきたいと思います。