選択肢を与える『3プライス』を採用して、実質値上げに挑戦!


ハンドメイド商品を売る経営者から、値上げの相談を受けました。
「製造原価を基準に販売価格の設定をしているが、技術料を考えるともっと高く値付けをしたい。他店商品と比べると質もよく安いのでお客様から好評なのですが、逆に価格を上げてしまうと贔屓のお客様からの購入が減ってしまうのが怖いので、値上げに踏みきれません」という状況です。
そこで、価格設定に、3プライスの考え方の導入を進めることとなりました。

「3プライス」とは

「3プライス」とは、販売する商品を3つにランク付けして価格帯を設定することです。
「松」「竹」「梅」という3階級にわける言葉もあり、それにちなんで「松竹梅商法」とも言われます。

色々なお店で実施されているので、見かけたことがあるのではないでしょうか。
お寿司屋さんでは、「松」=特上、「竹」=上、「梅」=並といった握りが用意されていますね。
スーツ販売店では、生地などの違いで29,800円、39,800円、49,800円といった3つの価格帯で用意されているお店もあります。

消費者からすると、
・まず一番安い価格帯「梅」に目がいき、(集客効果)
・一番安いものだとちょっと物足りないので、少しいいものを
・かといって、一番高いものを選ぶほどのこだわりはない
というような消費者心理が働き、中間の価格帯「竹」に目が向き、平均してみると、中間の価格帯「竹」が最も売れる、となります。

取り組み事例〜ハンドメイド製品〜

ハンドメイド製品のお店の事例に戻りましょう。

3プライスそれぞれの値決めには、
・価格変更(実質値上げ)によって、チープ感は出さないように一部材料を変更
・現在の価格帯より少し安くした価格帯を「梅」に設定
・現在より少し値上げした価格帯を「竹」を設定
・よりよい材料を使ったプレミアムラインを追加し、さらに高い「松」を設定
とし、それぞれを1万円台、2万円台、3万円台と分けるようにしました。
※上記スーツ販売店の例のような29,800円、39,800円、49,800円というようにきっちり値決めをしたわけではありません。

その結果、「竹」の価格帯が最も多く売れ、続いて「梅」の価格帯の商品が売れるようになりました。
平均客単価が上がりましたが、価格設定の変更に対しての不評や客離れはないようです。

お客様の価格感受性を確かめよう

3プライスの価格設定をすると、お客様の「価格感受性」を確かめることもできます。
「価格感受性」とは、価格の高い/安いと、お客様の価値観とがどこで反応するかという感覚のことです。

夕飯のために1円でも安い食材を買いたい時と、奮発したディナーを楽しむ時とで、同じ人でも財布の紐の緩み方が違ってきますね。
また、自分で飲むために買う缶ビールとお中元などに贈る缶ビールのギフトセット、のように、同じ商品でも目的によって明らかな価格差ができます。

上記ハンドメイド製品の事例においては、高い価格帯「松」の商品がほとんど売れておらず、プレミアムラインの取り扱いは辞めるかも、という相談がありました。
お客様からすると、「松」と同価格帯のブランド品などと比べたり、購入目的や利用シーンなどが変わったりして、選択肢から外れてしまうのでしょう。

このように、3プライスの価格設定をすることで、商品やブランド価値の評価を把握できて、今後の商品展開に繋がることもありえます。

まとめ

3プライスの消費者心理を利用することで、集客ならびに売上アップに繋がります。客寄せとして「梅」の価格帯を用意し、売りたい商品を売りたい価格=中間「竹」の価格帯とするような商品展開を行うのです。もちろん同商品でいいものを買いたいというお客様は「松」の商品を選び、利幅を大きく取ることもできます。

実質値上げなどの戦略的な価格設定、利益確保に向けて、3プライスを設定してみてはいかがでしょうか?

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