SNSを使って集客したい、という事業者はとても多いのですが、実際うまく活用できている人は、実はそれほど多くないんです。今回は、ビジネスや個人ブランディングに欠かせないSNS、例としてX(旧Twitter)を活用した集客術についてお伝えします。
SNSでの目的は、2つ
SNSでの集客戦略は、「認知」と「関係性構築」の大きく2つのアプローチに分けられます。
人の目を引く面白いつぶやきやためになる情報、映える写真などで認知を増やし、コメントやDMなどで関係性を深めていく、バランスよく組み合わせてフォロワーを増やし、その次にマネタイズに展開することが、成功の鍵なんです。
「認知施策」は、より多くの人にあなたやあなたのブランドを知ってもらうことを目的としています。
2つ目は「教育・価値提供による関係性構築」。こちらは、フォロワーとの信頼関係を深めることで、マネタイズしやすくする、長期的な顧客関係を築くことを目指します。
どちらの施策も、最初からマネタイズを狙った投稿ではない、ということです。
Step1:アカウントを認知され、フォローしてもらう
まず、わかりやすいテキスト短文・図解・画像で心を掴み、アカウントの認知と、フォローをしてもらうことが必要です。
画像や動画の投稿を組み合わせましょう。
例えば、ダイエットの成功例や、部屋の片付けビフォーアフターなど、変化が一目瞭然の写真は非常に効果的です。「-10kg達成!」という投稿に売上画面のスクショを添えれば、説得力が格段にアップします。
メイク動画やファッションコーディネート動画のような動画コンテンツは、インプレッションが爆発的に伸びています。自分の得意分野で、短くて分かりやすい「ハウツー動画」を作ってみるのはどうでしょうか。こういった動画は、視聴者の感情に強く訴えかけ、共有されやすい傾向にあります。
Xは、有料契約により長文投稿もできるようになりましたが、Xの基本は短文投稿ですので、視覚的に説明されている図解も有効ですので、図解を活用しましょう。「成功する人の1日のルーティン」を図解すれば、文章だけでは伝わりにくい情報も一瞬で理解できます。
Step2:役立つ人だ、と深く認知してもらう
テキスト長文:深い洞察を共有する
2023年からXで導入された長文投稿。これを使えば、より詳しい情報や深い洞察を共有できます。
例えば、「スティーブ・ジョブズの革新的な10の名言とその現代的解釈」なんてタイトルで、ビジネスの洞察を詳しく解説するのもいいですね。
また、あなたの専門分野のノウハウを解説するのも効果的です。
「副業で月10万円稼ぐための5ステップ」なんて内容なら、多くの人が興味を持つはず。具体的な手順や、陥りがちな失敗例なども交えると、より実用的な内容になります。
自己開示ストーリーも、長文投稿の醍醐味です。
「私が借金1000万円から這い上がった方法」なんて体験談は、読む人に勇気や希望を与えるでしょう。単なる自慢話にならないよう、そこから得た教訓や読者に役立つアドバイスを盛り込むのを忘れずに。
そして、投稿の最後には必ずCall To Action(行動喚起)を入れましょう。「詳しくはプロフィールのリンクから!」と書くだけで、フォロワーを自分のサイトやブログに誘導できます。
コメント、引用、リアクション、DMなどで交流を図る
Xは、単なる投稿の場ではありません。むしろ、活発な交流の場であることを理解してください。
まず、面白い投稿や為になる投稿をリポストしてみましょう。自分のタイムラインが充実するだけでなく、元の投稿者との関係構築にもつながります。
次に、他の人の投稿にコメントを残すことも大切です。コメントを残せば、相手の記憶に残り、関係構築の第一歩になります。さらに、自分の投稿へのコメントには、できるだけ丁寧に返信しましょう。こうした小さなコミュニケーションの積み重ねが、ファンを増やすことにつながるんです。
他の人の投稿に自分の意見を添えて投稿する「引用リポスト」も効果的です。新たな視点を提供することで、議論のきっかけを作れます。
DMは、ビジネスチャンスを逃さない直接的なコミュニケーション手段です。ただし、いきなり営業トークを始めるのはNG。まずは関係性を築いてから、ビジネスの話を持ちかけるのがコツです。
Step3: 顧客との関係を強化する多角的なアプローチ
Xを中心としつつ、他のプラットフォームも効果的に活用することで、見込み顧客の育成とマネタイズの可能性が大きく広がります。各プラットフォームの特性を理解し、それぞれに適したコンテンツを提供することが重要です。
例えば、LINEでは、よりパーソナルなコミュニケーションが可能です。Xでのフォロワーに対して、LINEの公式アカウント登録を促し、そこでより濃密な情報提供や1対1のやりとりを行うことで、信頼関係を深められます。ここでの関係性を基に、有料コンサルティングやコーチングへとつなげることができるでしょう。
メールマガジンは、定期的な価値提供の場として活用できます。Xでの投稿内容をより詳しく解説したり、独自の分析やインサイトを提供したりすることで、読者との関係性を強化できます。メルマガ読者に対して、有料の電子書籍やオンラインコースへの案内を行うことで、段階的なマネタイズが可能となります。
YouTubeでは、「Xマーケティング成功事例」のような動画シリーズを展開することで、視覚的にも分かりやすいコンテンツを提供できます。これらの動画をXで共有することで、相互にトラフィックを増やせます。YouTube動画の説明欄に有料コンテンツやサービスへのリンクを貼ることで、収益化の機会を作れます。
Instagramは、Xとは異なるビジュアル重視のプラットフォームです。ここでは、あなたのブランドや人となりをより視覚的に表現できます。例えば、セミナーやイベントの舞台裏、日常の仕事風景などを共有することで、フォロワーとの距離を縮められます。Instagram Storiesを使って、限定のプロモーションコードを提供するなど、マネタイズにつなげることもできるでしょう。
ブログやnoteは、より深い洞察や詳細な情報を提供するのに適しています。「X運用のプロが教える、フォロワー1万人達成法」といった記事は、多くの読者の関心を引くでしょう。これらの記事の一部を無料で公開し、より詳細な情報や実践的なワークシートなどを有料コンテンツとして提供することで、段階的な収益化が可能です。
Xの最新機能である「スペース」や「ライブ」、Voicyなどの音声プラットフォームでは、より親密な雰囲気でコンテンツを届けられます。例えば、毎日5分のXマーケティングTipsを配信するなど、リスナーの日常に寄り添うコンテンツが効果的です。これらの音声コンテンツをきっかけに、有料の音声講座やポッドキャストへの登録を促すこともできるでしょう。
これらのプラットフォームを連携させ、統合的なマーケティング戦略を展開することで、見込み顧客の育成からマネタイズまでの効果的なファネルを構築できます。例えば、XでのつぶやきをきっかけにInstagramのフォロワーになってもらい、そこからYouTube動画を視聴してもらう。その後、メルマガに登録してもらい、最終的に有料サービスの購入につなげる…といった具合です。
重要なのは、各プラットフォームでの成果を測定し、常に改善を行うことです。どの投稿やコンテンツが最も反応が良かったか、どのプラットフォームからの流入が最も購買につながったかなどのデータを分析し、戦略を最適化していきましょう。
このようなマルチプラットフォーム戦略を展開することで、Xを起点としつつも、より幅広い層にリーチし、多角的なアプローチで見込み顧客を育成し、効果的にマネタイズすることが可能となるのです。
Step4:マネタイズに近づけるアプローチ
ここまでできてくると、マネタイズまではもう間近です。
ランディングページ(LP)の活用も重要です。「X集客の極意を学ぶ」といったテーマのLPを作成し、Xや他のプラットフォームからトラフィックを誘導します。ここで無料の資料提供や無料セミナーへの申し込みを受け付け、そこから有料サービスへとつなげていくのです。
これらのオンライン・オフラインでの交流は、単なる関係構築だけでなく、ビジネスチャンスを生み出す絶好の機会でもあります。例えば、オンラインサロンやコミュニティは月額制のメンバーシップとして運営し、定期的な収入源にできます。ここでXの投稿内容を深掘りしたり、メンバー限定の質疑応答セッションを設けたりすることで、価値を高められます。
コンサルや講座、セミナーについては、まずXで無料の価値提供を行い、そこから興味を持った人たちを有料のプログラムへと誘導する戦略が効果的です。例えば、「Xマーケティングの基礎」というテーマで無料のライブ配信を行い、そこから「Xマーケティングマスター講座」という有料プログラムへの参加を促すといった具合です。
オフラインイベントでは、参加費を設定することで直接的な収益を得られますが、それ以上に重要なのは、そこでの出会いから生まれるビジネスチャンスです。例えば、「X活用戦略セミナー」の参加者の中から、あなたの個別コンサルティングの依頼が生まれるかもしれません。また、「起業家ネットワーキングパーティー」では、協業や提携の機会が生まれる可能性も高いでしょう。
重要なのは、これらの活動をXの投稿と有機的に結びつけることです。
イベントの告知やレポート、参加者の声などをXで積極的に共有することで、次の機会への期待を高めると同時に、あなたの専門性や信頼性をアピールできます。このサイクルを繰り返すことで、Xのフォロワーを潜在的な顧客へと育成し、持続可能なビジネスモデルを構築できるのです。
価値提供と継続が成功の鍵
これらの戦略は単なる「テクニック」ではありません。
本当に大切なのは、あなたが提供する価値そのものです。
どんなに巧妙な戦略を駆使しても、提供する価値がなければ人々の心には響きません。逆に言えば、本当に価値のあるものを提供していれば、多少戦略が拙くても、必ず共感する人は現れるものです。
ですから、Xでの集客を考える際には、「自分は何を提供できるのか?」「それは本当に人々の役に立つものなのか?」と自問自答してみてください。そして、その答えを常に念頭に置きながら、日々の投稿や交流を行っていくのです。
そして、忘れてはいけないのが、継続の力です。
SNSでの成功は、一朝一夕では得られません。日々コツコツと投稿を重ね、フォロワーとの関係を築いていく。そんな地道な努力が、やがて大きな成果となって返ってくるのです。
最後に、SNSでの活動を楽しんでください。
ビジネスのためとはいえ、楽しくなければ長続きしません。自分の好きなことや得意なことを中心に発信し、同じ興味を持つ人々と交流を深める。そんな楽しさを感じられれば、自然とフォロワーも増え、ビジネスチャンスも広がっていくはずです。