チラシ制作から配布までの実施ポイント

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販売促進ツールを選択するときに考えなくてはいけないことは、「対象となるお客様がどこにいるか?見ている媒体は何か?」という視点です。

魚釣りを例にすると、海の真ん中でやみくもに釣り糸を垂らすよりも、釣り堀のように予め魚がいるとわかっている場所に絞った方が釣れる確率は高くなります。
また、狙っている魚が何を食べるのか、を知っていないと、ミミズで食いついてくれるとは限りません。

例えば、75歳女性を対象にした商品を販売促進する場合、インターネットを利用しても、パソコンやスマートフォンを使いこなせないことが想定できるため、なかなかお客様にたどり着きません。
反面、公民館のように顧客がよく行く場所にチラシを置いたり、直接ご自宅に訪問して丁寧に説明をしたりする方が有効ではないでしょうか。

最近では、ホームページ、リスティング広告、SNS、新聞折込チラシのように複数を組み合わせる販売促進が主流になってきています。
ホームページやSNSで集客ができる、とはいっても、やはりアナログ手法を無視するわけにはいきません。

今回のブログでは、チラシ活用のポイントをまとめてみました。

チラシによる販売促進の実施ステップは主には3つ

①デザイン、②印刷、③配布です。

いずれもご自身でやってしまう人もいれば、専門業者に依頼する人もいます。
専門業者に依頼する場合では、デザイン、印刷、配布、とそれぞれ個別に依頼するケースもあれば、デザインと印刷、印刷と配布、デザインから配布までを一括で依頼するケースもあります。
当然、専門業者に依頼する内容に応じて費用がかかり、何を依頼するのかで選べる会社が変わってきます。


以降は、デザイン、印刷、配布それぞれの進め方、サービスの特徴や注意点などを以下に解説をしていきます。

①チラシデザインのポイント

1)専門業者に依頼

自分では作れない技術的なところ、感覚的なところを、デザイナーのセンスと業種業態にあったデザインを提案し制作してくれるのが特徴ですね。

制作の依頼内容によって金額が異なってきますが、片面1~5万円を目安にしてみてください。
デザイン以外にも、コピーライティングや内容の原稿をすべて作ってもらったり、イラスト素材を作ったり、写真素材を買ったりすると値段が上がっていきます。業者によっては、デザイン・印刷・配布を一括で依頼することも可能で、発注などの煩わしい手続きを軽減できます。

「少しデザインをできる友達がいて、安くやってくれる」という話をよく聞くのですが、残念ながら失敗談を多く聞きます。
友達だから、安くやってもらっているから、という負い目(?)があり、
内容修正や期日に対して強く言うことができないまま、
自分が思い描いているものよりも質の低い中途半端な販促物ができ上がってきたケースをよく聞きます。
専門業者に依頼をして、納得の質と安心を求めることが一番確実です。

昨今はクラウドソーシングというサービスが登場し、会社でなくても、個人事業や副業でやっているフリーランスのデザイナーへ仕事を依頼することもできるようになりました。

クラウドソーシング(英語: crowdsourcing)とは、不特定多数の人の寄与を募り、必要とするサービス、アイデア、またはコンテンツを取得するプロセスである。 wikipediaより

クラウドソーシングサービスの例)
クラウドワークス

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ランサーズ

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2)自分で作る

プロが作るから、費用が高いからといって、高い成果が出るとは限りません。
自分でチラシデザインを作成できる方は、印刷や配布のみを業者に頼むことで費用を抑えられます。

ここでは、Canvaというサービスを紹介します。

Just a moment...

デザイン経験がない素人であっても、無料プランで使えるフォーマットの写真や文章を変えるだけの簡単操作でチラシ等が作成できます。
チラシだけでなく、ロゴ、名刺、WebのバナーやSNSのアイコンなど様々な販促物を作ることができます。
利用には会員登録(無料)が必要です。

②チラシ印刷のポイント

1)ネット系印刷サービス

インターネット上でデザインしたデータを送信すると、工場で印刷して印刷物を手元に届けてくれます。
チラシだけでなく、様々な形状や素材(例:名刺・ショップカード、パネル、のぼり・のれんなど)へのプリントが可能です。

一般的に、紙のサイズ・紙の厚さ・加工(折り加工やミシン目加工など)の有無などを変更すると料金が上がりますが、枚数が多くなるほど、出荷日に余裕があるほど、1枚あたりの単価が安くなることが特徴です。
例えば、A4両面カラーのチラシを、翌日納期で2000枚依頼した場合は送料込みで6000円程度(1枚単価3円程度)ですが、納期1週間にするとは4000円程度(1枚単価2円程度)、納期1週間で10000枚に増やすと13000円程度(1枚単価1.3円程度)で仕上げてくれます。
コンビニでカラー印刷をすると片面40円ほどかかることを考えると、価格メリットが大きいです。

利用にあたって、PC操作に疎い、専門用語がわからない、デザインを作ったソフトの互換などでトラブルがあると困る、仕上がりが確認できない、など、インターネットならではの不安を抱える場合があります。

ラクスル

2)印刷会社(店舗)

街ナカに店舗を構えていて、印刷をしてくれる会社があります。
店頭で担当者が直接対応してくれ、場合によってはその場で修正(有償)もしてくれますので安心です。
また、その場で印刷を始めてくれるため、仕上りが早いことも特徴です。

A4両面カラーのチラシを2000枚依頼した場合は120,000円程度(1枚単価60円程度)と価格が高くなってしまいます。
時間的なメリット(最短1時間で納品)や、店頭のサポートを受けながら確実に進めていく場合には有効です。

3)自宅やオフィスで

家庭用インクジェットプリンターや事務所の複合機でさっと済ませてしまうケースも考えられます。
注意をしていただきたいのは、プリンターの性能や紙質によって、安っぽい印象になってしまい、チラシを手にしたお客様の信用を損ないかねませんので注意しましょう。

例えば、プリンターの機種によっては、縁無し印刷(上下左右に白い余白ができないように印刷すること)ができません。
また、普通のコピー用紙(普通紙)でチラシを印刷するのではなく、鮮やかな発色が出せる高級感のある光沢紙などを使いましょう。
数枚〜100枚程度の少量や、緊急でどうしても必要になった場合にのみ、使うことをオススメします。

③チラシ配布のポイント

1)街頭配布

街頭を歩く人に対して、チラシや宣伝の入ったティッシュ等の販促物を配るやり方です。

街頭配布では、まずチラシを受け取ってもらうことが第一となります。
たくさんの人が歩いていたとしても、受け取ってもらうための工夫が必要です。
通行量(歩行者)が見込めないととても非効率になりますので、配布場所に加えて、天候や気候、曜日や時間帯に左右されます。
反面、スタッフの手の空いている営業時間内に行う場合には、人的リソースの有効活用になります。

2)新聞折込

新聞にチラシを挟み込んで、新聞と一緒に届けてくれるサービスです。

しかし、デジタルメディアの台頭などにより新聞の購読者数は年々減少、特に若年層の読者は少なくなっています。
反面、折込チラシを楽しみにしている女性が男性よりも多い、というような傾向があるようです。
ですから、読者数が少なくなっているから、といって敬遠をするのではなく、新聞折込を好む顧客層であれば、高い反応を得られる可能性があります。

新聞折込は、1枚あたり3円程度が相場となっています。
地域や新聞ごとに指定して配布することも可能ですので、特定の地域10,000世帯が購読している○○新聞に、単価3円で1回チラシを入れると、30,000円となります。

3)ポスティング

チラシをポストに入れることを「ポスティング」と言います。

指定エリアのすべてのポスト(マンション、アパート、戸建て、テナントビル、商店など)に投函するため、新聞未購読者層にもアプローチできることが特徴です。

さらに、業者によっては「60代以上の女性が住む家」のような属性や、住居以外の商店やオフィス、さらには業種などの条件をしぼって配布することもできます。
反面、セキュリティが厳しいマンションなどには配れないこともあります。
費用感としては、1枚あたり3円程度となっています。

4)ダイレクトメール(DM)

特定の顧客(住所録)宛に郵送します。

DMも、自分で送る場合と、発送代行業者に依頼する場合に分かれます。
業者に依頼する場合は、DMの発送のみ行う業者、チラシデザインから発送までを一括して対応する業者など、業者ごとにサービス内容は変わりますので、希望に合う業者を探してみてください。また、対象となる住所録を持っていない場合には、業者が保有するリストを購入または利用することも可能です。

過去に利用をしていただいたお客様へのDMは、反応率(再来店)が高くなる傾向にあります。

郵便代金相当の郵送料がかかります。

5)FAX DM

ダイレクトメールのうち、郵送ではなく、FAXへの宛先に送信するやり方です。

2018年総務省の通信利用動向調査によると、FAXを保有している個人は35%となっています。一方、法人(事業所)では97%という高い保有率が出ています。
このデータは総務省の同調査2006年の古いデータですが、法人取引においては、未だに電子化が進んでいない取引先(卸業者など)がFAXを使っていて、仕方なくFAXを使わざるを得ないところも多いようです。
したがって、FAX DMは、対法人向けに認知を図りたい場合には、有効な手段であると言えます。

FAX機は持たなくても、必要なときだけFAXの送受信ができるインターネットサービスを使っている事業所もあります。
また、カラーで送受信できるFAX機もあるようですが、カラーでやり取りをするためには、送信側、受信側がともにカラー対応である必要があります。
カラーで送信する場合は、送信料が2倍程度高いことや、前述のとおり受信側がカラー対応でないFAX機の可能性があるため、FAX DMを検討する場合は白黒で送るものと考えて、デザインをしておくとよいでしょう。

1件の送信に、FAX送信料(電話代相当)がかかります。

6)メール DM

ダイレクトメールのうち、Eメールアドレス宛に送信するやり方です。

メールを送信するだけなら、コストはほとんどかかりません。
顧客管理を含め、メール配信ツール(例:メルマガ配信スタンドなど)の利用料がかかります。

そして、メール配信ツールを活用することで、唯一、購読状況を把握することができるようになります。
また、メール内のURL(HPなど)に誘導させたり、スマホ閲覧の場合は、そのまま電話予約などもスムーズに行動させることもできます。

メールDMのデメリットとして挙げるならば、
迷惑メールなどに入ってしまい、閲覧してもらえないケースがあったり、
高齢者や普段インターネット環境にない方には配信することは難しいでしょう。

7)タウンプラス

タウンプラスは、郵便配達員が行うポスティング、のようなサービスです。

宛先を書かなくても、地域やマンション名などを指定して届けられることが特徴です。
上記ポスティングの説明では、「セキュリティの高いマンションではポスティングが断られるケースがある」と紹介しましたが、タウンプラスは郵便局が実施するサービスで郵便配達員が届けてくれるため、郵便配達員の配達を拒絶されることはありません。
そのため、富裕層が多いと想定できるセキュリティが高いマンションであっても確実に届けられます。
また、GISデータと呼ばれる性別・年齢、家族構成、推計年収、戸建て/マンションなどの住宅別などの属性を選ぶことができるため、顧客層が明確な事業者ほど有効な手段となります。

ただし、引受期間が発送の14日以上前であること、指定地域の全世帯に配達することが条件のため、町丁別の選択数によっては差出数そのものが増えてしまい、総費用が高くなる可能性があるなどのデメリットもあります。

価格感は、A4サイズ両面カラー2000枚(デザイン・印刷・送料込み)の場合は30,000円(1枚単価15円)となっています。

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