初心者必見！Web3時代に突入するNFTの基礎知識

Web3とNFTの基本

NFT市場はここ数年で急速に成長しました。

そのきっかけは、2021年3月に米国のアーティスト：ビープル（Beeple）のデジタルアート作品が約75億円で落札されたことで、NFTが一躍注目を集める大きな要因となりました。このニュースが広がると、世界中のアーティストやコレクターがNFT市場に関心を寄せるようになり、NFTの取引量が急増しました。

最近耳にするようになった「Web3」や「NFT」について、まずは、それぞれの基本定義から説明します。

Web3とは？

Web1は、1990年代初頭に登場したインターネットの最初の形態です。
この時代のウェブは「読むだけ」の性質が強く、主に情報の提供を目的としていました。代表例として、ホームページをイメージしてください。
ホームページでは個人や企業が情報を一方的に発信する媒体として、主にテキストや簡単な画像で構成され、ユーザーは情報を閲覧するだけで、ユーザーからの積極的な参加や相互作用はほとんどありませんでした。

Web2は、2000年代初頭に登場した進化形態です。現在も含まれます。
Web2は「読み書き可能」な特性を持ち、ユーザーは情報の消費者であると同時に、コンテンツの発信者としても活動できる、インタラクティブで参加型のプラットフォームへと変革しました。代表例として、ブログ、SNS、ウィキペディアなどのプラットフォームをイメージしてください。

Web2では、情報の双方向性を促進し、個人の表現や意見交換の場を大きく広げました。特に、スマートフォンや高速通信技術の普及とともに、オンラインでの活動が日常生活に深く組み込まれるようになり、情報技術の民主化を加速させました。

そして、Web3（ウェブスリー）は、次世代のインターネットとして注目されています。Web1.0が静的なウェブページ、Web2.0がソーシャルメディアやクラウドサービスを中心とした動的なインターネットだったのに対し、Web3はブロックチェーン技術を基盤とした分散型のインターネットを指します。
これにより、中央集権的な管理者がいなくても、信頼性の高い取引やデータ管理が可能になります。

NFTとは？

NFT（Non-Fungible Token：非代替性トークン）は、ブロックチェーン上で発行される一意のデジタル資産です。例えば、デジタルアート、音楽、動画、ゲームアイテムなどがNFTとして取引されます。

これらのデジタルアイテムは、一度ブロックチェーンに登録されると、その所有権や取引履歴が改ざん不可能な形で記録されます。

NFTが注目される理由はいくつかあります。
まず、アーティストやクリエイターが自分の作品を直接販売し、ロイヤリティを得ることができる点です。また、コレクターにとっては、唯一無二のデジタルアイテムを所有することで、価値を実感できる点が魅力です。さらに、ブロックチェーン技術による透明性と信頼性が、デジタル資産の取引を安全に行える基盤となっています。

日本におけるNFT市場の展開

次に、NFT市場の発展とその背景について説明していきます。

日本国内のNFTアートシーン

ビープルの成功は、日本のクリエイターたちにも大きなインスピレーションを与えました。

日本では、多くの個人クリエイターがNFT市場に参入しています。
彼らはそれぞれ独自のスタイルを持ち、多様な作品を発表しています。特にTwitterなどのソーシャルメディアを活用して、自身の作品を広めることに成功しています。これにより、多くのクリエイターが自分のファンを獲得し、作品の価値を高めることができました。

クリエイターコミュニティの形成

NFT市場では、クリエイター同士が互いに応援し合う文化が根付いています。このような相互支援の文化は、コミュニティ全体の活性化につながり、クリエイターが自分の作品を広く知ってもらうための重要な手段となっています。

例えば、NINJA DAOの「Crypto Ninja」シリーズは、多くのファンを獲得し、大きな成功を収めました。このシリーズは、CC0（著作権フリー）として二次創作が自由に行えるため、多くのクリエイターがこのキャラクターを使った作品を制作し、コミュニティが活発に交流しています。

クリエイター支援プラットフォームの登場

NFT市場の成長に伴い、クリエイターを支援するためのプラットフォームやサービスも増えています。
これにより、クリエイターたちは自分の作品を発表しやすくなり、さらに多くの人に作品を届けることができるようになりました。

例えば、NFTマーケットプレイスやクリエイター支援プラットフォームを利用することで、簡単に作品を登録し販売することが可能です。

NFTの収益化

NFT販売における効果的なマーケティング手法 – SNSと２次創作 –

NFTマーケティングの基本は、ソーシャルメディアを活用することです。
クリエイターが自身の作品を広く知ってもらうためには、積極的なプロモーションが必要です。例えば、定期的に新作を発表し、その都度SNSでの告知を行うことが有効です。また、ファンとの交流を大切にし、作品に対するフィードバックを取り入れることで、より魅力的な作品を制作することができます。

NFT市場では、二次創作が盛んに行われています。例えば、NINJA DAOのキャラクター「Crypto Ninja」は、CC0として二次創作が自由に行えます。この仕組みにより、多くのクリエイターが自分の作品をもとに新たな作品を作り、さらに市場を活性化させることができます。

収益化の仕組み

NFTを収益化するためには、まず自分の作品をブロックチェーン上で発行し、マーケットプレイスで販売する必要があります。初回販売・１次流通のことです。

そして、NFTの特徴として挙げられる二次流通（購入者からの転売）では、取引のたびにクリエイターにロイヤリティが支払われる仕組みがあります。これにより、クリエイターは初回販売の売上だけでなく、再販されるたびに収益を得ることができます。このロイヤリティ制度は、クリエイターが長期的に活動を続けるための重要な収益源となります。

NFTの未来と課題

NFTはデジタルアートだけでなく、音楽、映像、ゲーム内アイテムなど、様々なデジタルコンテンツにも応用されています。これにより、クリエイターたちは自分の作品を多岐にわたる方法で表現し、販売することができ、まだまだ成長の余地があります。

新しい技術やプロジェクトが次々と登場し、多様なビジネスモデルが生まれています。これからも多くのクリエイターがNFT市場に参入し、さらなる革新が期待されます。

例えば、メタバース（仮想空間）との連携が進むことで、NFTの利用範囲が広がる可能性があります。メタバース内でNFTを使用することで、デジタルアイテムの所有権や取引がよりリアルに感じられるようになるでしょう。また、ゲーム業界でもNFTの導入が進んでおり、ゲーム内アイテムの所有権がプレイヤーに帰属する仕組みが増えてきています。

また、NFTはデジタル資産の所有権を明確にするためのツールとしても活用されており、今後さらに多くの分野で利用が広がると期待されています。