補助対象外となる経費の考え方と例[小規模事業者持続化補助金]

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小規模事業者持続化補助金の申請を検討されている事業者から受ける
最も多い質問は、「この経費が補助金の対象になるか否か」ということです。

そこで、今回は、経費が補助対象になるか否かの判断基準について、お伝えしていきます。

※個別で確認をしたい場合は、事務局に電話確認することをオススメします。

(1)販路開拓のための費用であること

まず、大きな方向性として、
小規模事業者持続化補助金は「販路開拓」のための補助金である
ということから、販路開拓のために使う費用であることが大前提となります。

<よくある相談事例>
・商品の仕入れ費用を申請したい
→「販売」を目的とした経費は対象になりません。

・新しい商品パッケージを制作し、販売用のパッケージもまとめて生産する場合
→デザイン費や試作用・サンプル用に生産した分は対象となりますが、販売分は対象外となります。

・展示販売を行うための会場費を申請したい
→展示会の会場費なので一見対象になりそうですが、
展示販売は「販売目的」であるため、補助対象とすることはできません。

「展示目的」で出展するとして会場費などを補助対象にしていたが、
その場で販売も行う場合は、収益納付(利益分だけ補助金額が減額)の対象になります。

『収益納付』とは・・・については、↓↓↓

知らない人が多い、補助金が減額される「収益納付」

小規模事業者持続化補助金の収益納付の話。補助金は返さなくていい、と思っていらっしゃる方が大半ですが、実は、状況によって補助金を返す(小規模事業者持続化補助金の場合は減額されて入金される)「収益納付」という制度があります。 補助金額が減額されないようにする方法、も含めて説明していきます。

・ノートパソコンやタブレットPCを買いたい
→用途が多岐にわたる汎用品は、補助対象とすることはできません。

(2)生産性向上、業務効率化の費用における注意点

「生産性向上」や「業務効率化」を目的とした経費も対象となります。

ただし、「販路開拓」の取り組みが中心であることが要件であり、
「生産性向上」や「業務効率化」の経費は付属的な位置付けである、ということに注意が必要です。

「販路開拓」の取り組みなしに、単に「生産性向上」や「業務効率化」の経費だけを申請することはできません。

<よくある相談事例>
・新型の設備を導入し、生産性向上を図りたい
→設備を購入するだけ、ではダメです。
販路開拓に取り組むには新型設備が必要、というような書き方の工夫が必要です。

(3)経費区分

経費区分が、以下①〜⑬のいずれかに該当することが必要です。
①機械装置等費、②広報費、③展示会等出展費、④旅費、⑤開発費、⑥資料購入費、⑦雑役務費、⑧借料、⑨専門家謝金、⑩専門家旅費、⑪車両購入費、⑫委託費、⑬外注費

※公募の年によって経費区分が変わります。
詳細は、公募要領をご確認ください。

<よくある相談事例>
・社員の人件費
・店舗や事務所の家賃
→①〜⑬のいずれにも該当しませんので、対象外であることがわかります。

(4)その他の考え方

以下、公募要領から抜粋します。

・補助事業の目的に合致しないもの
・必要な経理書類を用意できないもの
・交付決定前に発注、購入、契約等を実施したもの
*展示会等への出展の申込みについてのみ、交付決定前の申込みでも補助対象となります。(ただし、請求書の受領が交付決定後でなければ補助対象になりません。) *見積の取得は交付決定前でも構いません。
・自社内部の取引によるもの(補助事業者が補助事業者以外から調達したもののうち、①から⑬に掲げる経費のみ補助対象とする。)
・共同申請における共同事業者間の取引によるもの(共同事業者が共同事業者以外から調達したもののうち、①から⑬に掲げる経費のみ補助対象とする。)
・販売を目的とした製品、商品等の生産・調達に係る経費
・オークション品の購入
・駐車場代や事務所等に係る家賃、保証金、敷金、仲介手数料、光熱水費
・電話代、インターネット利用料金等の通信費
・名刺や文房具等の事務用品等の消耗品代
・雑誌購読料、新聞代、団体等の会費
・茶菓、飲食、奢侈、娯楽、接待の費用
・不動産の購入費、自動車等車両の購入費(ただし、買物弱者対策に取り組む事業に使用する場合を除く。)
・修理費・車検費用
・税務申告、決算書作成等のために税理士、公認会計士等に支払う費用および訴訟等のための弁護士費用
・金融機関などへの振込手数料(ただし、発注先が負担する場合は補助対象とする。)
・公租公課(消費税は補助対象外とする。ただし、旅費に係る出入国税は補助対象とする。)
・各種保証・保険料(ただし、旅費に係る航空保険料、展示会等出展で主催者から義務付けられた保険料に係るものは補助対象とする。)
・借入金などの支払利息および遅延損害金
・免許・特許等の取得・登録費
・講習会・勉強会・セミナー研修等参加費や受講費等
・商品券・金券の購入、商品券・金券・クーポン・ポイントでの支払い
・役員報酬、直接人件費
・各種キャンセルに係る取引手数料等
・補助金応募書類・実績報告書等の作成・送付・手続きに係る費用
・上記のほか、公的な資金の用途として社会通念上、不適切と認められる経費

(5)その他 補助対象から外れる事例

・1万円でチラシを10000部印刷し、期間中に7000部配る場合 (②広報費)
→支払った金額分がすべて補助対象になる、というわけではなく、
使った経費分が補助対象とみなされます。

したがって、この事例の場合は、
配った7000部分だけ(7000円分)が補助対象となり、
残った3000部の金額は、補助対象から外されます。

・近隣の営業活動に使う交通費 (④旅費)
→例えば、新宿→渋谷のような近距離移動の場合は、
通常の営業活動に要する経費とみなされ、対象外となります。

近距離=日帰り(例:東京→山梨)かどうか、という判断でもなく、
出張報告の作成等により、必要性が確認できるものが補助対象となります。

※個別で確認をしたい場合は、事務局に電話確認することをオススメします。

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