AIエージェントの正体は、テキストファイル1枚

AI活用のセミナーに行くと、決まって出てくる話があります。頼まなくても資料を用意しておいてくれる秘書のようなAI。朝いちばんに今日やるべきことを提案してくる参謀のようなAI。

私の手元では、それに近いものが7本、勝手に動いています。時刻や条件をきっかけに自動で立ち上がるものだけを数えた本数です。

導入を考える前に、正体を知っておくと判断が変わります。

中身は、テキストファイル1枚です

「AIエージェントを導入する」と聞くと、システム開発を想像すると思います。実態は違います。

本体は、役割と手順を書いたテキストファイルです。拡張子が `.md` の、メモ帳でも開ける普通の文章。Wordのような複雑な書類ではありません。

私のパソコンには、こんなファイルが並んでいます。「朝のブリーフィング担当」「メール返信の下書き担当」「顧客情報の整理担当」。中身に書いてあるのは、名前は何で、何を担当し、朝はどの順番で動き、どういう場合にどう判断するか。それだけです。魔法は入っていません。

大事なのは、このファイルさえあれば、動かす場所を変えても同じように動くことです。基盤は器にすぎず、中身はテキストのほうにある。どのサービスが将来流行っても、同じファイルで同じ動きをします。

「勝手に動く」は3層でできている

自動で立ち上がる仕組みも、構造は単純です。

  • 時計の役:パソコンに最初から入っている機能で、決めた時刻にプログラムを起動する。追加料金はかかりません
  • 準備の役:必要な情報を集めて、AIに渡す。やることはこの2つだけ
  • 本体:受け取った指示に従って、AIが判断して実行する

特別な開発環境も、クラウドの契約も要りません。パソコンの標準機能と、テキストで書ける準備係と、指示どおり動くAI。しかも、この設定自体もAIが書いてくれます。この構成で7本が常時動いています。

ただし数が増えると手に負えなくなります。私の感覚では10件くらいまで。20〜30件を超えたら、あるいは「何かが起きた瞬間に反応させたい」となったら、そこで本格的な基盤を検討すればいい。

難しいのは、ツールではなく言語化のほう

結論はシンプルです。本体はテキストで、どの基盤に移しても持っていける。 だから、どのサービスを選ぶかで悩む前に、1枚書いて動かしてみるのが早い。

朝いちに今日やることを整理してくれる係でも、メールの下書きを作る係でもいい。役割、判断の基準、手順。この3つを文章にするだけです。

書き始めると気づきます。難しいのは操作ではなく、当たり前になりすぎて言葉にしていない自分の仕事を、言葉に戻すことのほうだと。


AI活用マップ|コラム:AIエージェントの正体は、1枚のテキストファイル

実際に書くときの型は、AI活用マップ本編で扱っています。