差別化・USPといった言葉を聞いたことがある方は多いでしょう。
USPとは、Unique Selling Propositionの略で、「独自の売り」「独自の売りの提案」という意味のマーケティング用語です。
実際に、中小企業経営や販売促進に、競合他店との差別化を図るには、USPがとても重要です。
“事業の本質”で差別化するのは難しい
事業の本質とは、お金をいただいて提供している商品やサービスそのものを指しています。
・美容室では、カットやカラーのような施術メニュー
・飲食店では、食事メニューや飲み物メニュー
・小売店では、取り扱っている商品そのもの
です。
技術の違いや仕入れ商品に微妙な違いはあれど、その違いをお客様に伝え、お客様が理解し、比較をしたときに適切に判断できるか、となると、実に難しい。
多くは、競合他店と変わらない同じようなサービスとして判断されてしまうでしょう。
だから、比較しやすい価格でしか選択されなくなってしまうのです。
成熟産業は専門化が進む
また、成熟産業ほど、専門化が進み業種が増えていきます。
競合店が多くなり、事業の本質では違いが出せないから(もちろんそれだけが理由ではありませんが)、専門領域に特化して違いを生み出そう、となるのです。
美容業界がよい例です。
美容室から派生して、ネイルやまつエクの専門店が増えていますよね。
しかし、出店時は珍しくても、時間が経ち同じような業態の店が近隣に出店し始めると、専門性が徐々に薄れていってしまいます。
事業の本質ではない+α
それでも、経営や販売促進において、USPを考え、競合他店と差別化を図らなくてはなりません。
そこで、事業の本質ではない+αの取り組みに着目してみましょう。
+αの取り組みとは、なにか。
それは、他店が比較対象にしていないものです。
例えば、
美容室では、サービスドリンク(ウェルカムドリンク、アフタードリンク)のクオリティを上げてみる。
カフェばりにおいしいもの、美と健康を意識した健康ドリンクメニューや、ラテアートなんかもインパクトがあって、宣伝効果にも繋がりますね。
ヘアードネーション(※病気などを原因として髪の毛を失い、ウィッグを必要としている人のために、ウィッグの原料となる毛髪を提供すること)は、社会性もある取り組みですね。
最高の肌触りのタオルを提供、なんかもいいと思います。
他店では、消耗品や付随サービスとしてしか扱われないものに徹底的にこだわってみると、癒しを求めて選ばれることができます。
現時点で、USPがないのであれば、他店が比較対象にしていない+αの取り組みを検討してみてはいかがでしょうか。
USPは徹底的にこだわる、徹底的に発信する
USPを決めたら、徹底的にこだわりましょう。
中途半端で終わってしまうと、効果は出ません。
内輪でこっそり取り組んでいても、単なる自己満足に終わってしまいます。
集客に繋げていくためには、顧客に発信し続けましょう!