今回は補助金申請に欠かせない専門家活用について、お伝えしたいと思います。
補助金申請の専門家(コンサルタント)って誰?
私のような認定経営革新等支援機関と呼ばれる中小企業診断士や税理士などの士業のほか、民間のコンサルティング会社が一般的です。
商工会・商工会議所などの支援機関では、職員が対応するケースもありますが、登録専門家の派遣サービスを行っている金融機関や商工会・商工会議所もあります。
専門家派遣の場合は、中小企業診断士などが派遣されているようです。
ただ、士業なら、コンサルティング会社なら誰でもいいか、というと、そういうわけではなく、補助金の採択を勝ち取るポイントを抑えている人に依頼してください。
例えば、認定経営革新等支援機関(認定支援機関)なら大丈夫か、顧問税理士が必ずできるか、というと、決してそんなことはありません。
注)「補助金の採択を勝ち取るポイントを抑えている人に依頼してください」と言いたいのであって、税理士の能力が低い、と言いたいわけでは決してありません。あしからず。
専門家の必要性
専門家(コンサルタント)を使わないといけないの?
『認定経営革新等支援機関の関与を必須とする』
という補助金以外では、
専門家が関与せず、ご自身で申請して
採択を受けられる方もいらっしゃいます。
しかし、公募要領だけでも50〜100ページあり、事業者だけで、申請に必要な要件をすべて把握するのは、一苦労です。
また、応募者全員が採択されるわけではない(ものづくり補助金では、採択率3〜4割程度です。)ので、ポイントを抑えた専門家を活用して、効率的に採択を勝ち取ることをオススメします。
特にものづくり補助金については、全体的にレベルの高い内容に作られており、専門家を絡めないと採択は難しい、と聞いています。
一方で、小規模事業者持続化補助金では、小規模事業者向けの補助金ですから、初めて計画書を書いたような内容で採択されるケースも散見されます。
ただ、貧弱な内容だと採択は難しいので、第三者のアドバイスを受けることが望ましいです。
専門家(コンサルタント)も1人の人間であり、記述する観点が偏る可能性もあります。
補助金審査は、複数審査員の審査により点数が付けられますので、審査員全員から同じように高い点数を付けられるような計画書でなければなりません。
そこで、作成後、セカンドオピニオン(専門的な知識を持った第三者からのアドバイス)を求めてはいかがでしょうか?
専門家の支援内容
専門家(コンサルタント)は何をしてくれるの?
支援内容は、専門家によって異なります。
口頭でアドバイスをするだけの専門家もいれば、計画書をすべて作成(作成を代行)する専門家もいます。
※専門家に依頼しても、採択が約束されるわけではありません。
計画書の作成代行・代筆
事業者様のプランをヒアリングし、専門家が代行して計画書を作成します。
※私の場合、作成代行は行っておりません。
計画書のベースは事業者側で作っていただき、その後、ブラッシュアップのアドバイスをしたり、修正のために手を加えたりします。
コンサルティング
計画書作成や特定の目的(課題解決)に向けて、事業者自身では足りない観点を埋めるために、専門家の視点から指導・アドバイスを行います。
経営課題に気づきを得られ、やってよかった!と言っていただける経営者が多くいます。
私の支援内容は、計画書を作成して、採択をさせるだけでは終わりません。
採択後の事業実行のアドバイスや、補助金が入金されるまでの書類準備のサポートも報酬に含めています。
ツールやノウハウの提供
昨今、専門家が持っているノウハウは、本・セミナー・ブログ・動画などを通じて公開されています。
本やセミナーのように有料で提供しているもの、ブログやyoutubeのように無料で提供しているもの、があります。
スケジュール管理や精神的サポート
採択を目指すことは当然なのですが、
やはり専門家も1人の人間として、一生懸命取り組む企業を応援したい、というのが本心です。
そのような専門家が側にいることで、経営者に心強い味方として安心していただけますし、
スケジュール面や準備など申請全体を通してバックアップしていきますので、余計な負担が減ります。
専門家報酬
専門家に補助金申請支援を頼むといくらかかるの?
※あくまで、私の知る限りの情報です。
専門家報酬には、大きく2つあります。
着手金と成功報酬です。
着手金
採択の可否に問わず、計画書作成などの稼働がかかる分に対して、最低限の報酬を前払いしていただくケースが着手金です。
案件の難易度や、稼働の大小で金額が変わります。
成功報酬
成功報酬は、採択された場合に発生する報酬となります。
成功報酬では、『交付決定額のx%』という設定をしているケースが多くなります。
私が直接お受けする場合は、
顧問料の範囲内での対応を原則としています。
スポット支援の一例として
・小規模事業者持続化補助金:着手金5万円+成功報酬10%
・ものづくり補助金:着手金10万円+成功報酬10%
・事業再構築補助金:着手金10万円+成功報酬10%(上限100万円)
・その他補助金:着手金5〜10万円+成功報酬10%(上限100万円)
・計画書への添削(手直しなし・アドバイスのみ):1万円/回
・経営革新計画:申請承認20万円
・先端設備等導入計画:申請承認5万円
・経営力向上計画:申請承認5万円
というようにしています。
※相談料は無料です。
着手金を取らず、完全成功報酬のケースもあります。
私の提携している税理士法人の場合、着手金なし、完全成功報酬で交付決定額の20-30%となっています。
一般的に成功報酬では、10%〜20%が多いように思います。
これまで聞く限りで、報酬の合計で36%も取るところもありました。補助率が2/3だったとしても、こんな高額な報酬を払うと、最終的な補助率は実質1/3くらいになってしまうんですが。。。
高額な成功報酬は、違法ではないのですか?
一方で、補助金について定められた法はありません。
補助金のなかから報酬を支払ってもいいのでしょうか?
「補助金の中から」という意図によります。
まず、支払われた補助金の使いみちは、事業者の自由です。社員旅行でも、ボーナスでも、資金繰りの足しにするでも。したがって、支払われた補助金の中から専門家に成功報酬を支払うことは、なんら問題ありません。
しかし、「成功報酬も補助金で2/3補助されます」と言ってくる場合には注意が必要です。多くの補助金では、申請支援の専門家謝金は、補助金の補助対象経費に含めることはできません。事務局に偽って、事業経費に申請支援の報酬分を含めることは、違法です。
※違法、という表現が適切かわかりませんが、
「交付金額の◯%」という契約の仕方は問題ないですか??
はい。契約自体は問題ありません。
ただし、契約前に注意していただきたいのは、「採択された時点の金額」に対する◯%なのか、「支払われた補助金額」に対する◯%なのか、を理解しておいてください。
前者の場合、採択された額によって、成功報酬額が決まります。その後、実際に交付された額が減ってしまったとしても、契約上、報酬額が確定しているため、成功報酬の
私の場合は、前者の「採択された時点の金額×10%」で成功報酬を請求をさせていただいております。
顧問料
顧問先の場合は、毎月の顧問料をいただいているので、顧問料の範囲内で対応しています。
本来はこれが一番良心的ですし、事業内容ももとから熟知しているので、採択されやすいケースだと考えます。
4年連続で補助金を獲得している顧問先や、
(2020年は、コロナ禍で様々な補助金が出たこともあり)
最多で年間5つの補助金を獲得した顧問先もあります。
専門家派遣制度
金融機関・商工会・商工会議所が予算のなかから費用負担をして、専門家を派遣してくれる場合もあります。
ただし、申請希望者は多いので、日頃から定期的な付き合いがあれば、ということになると思います。
専門家派遣制度は実施回数や時間が限られます。
そのため、補助金活用の方向性を固める相談に専門家派遣制度を活用し、計画書作成の支援は個別契約にて、という流れが考えられます。
専門家(コンサルタント)を探す
最寄りの商工会議所・商工会・金融機関などで開催される補助金セミナーに参加してみると、全体の流れもつかむことができますので、参加してみてはいかがでしょうか?
認定経営革新等支援機関(認定支援機関)をお探しでしたら、下記URLより、検索できます。
※私も、認定支援機関となっています。
コロナの影響もあり、補助金制度がより認知されるようになりました。それに伴い、詐欺被害や契約トラブルも増えている、と聞きます。
意図せず、不正行為や詐欺行為に関わってしまう事業者さんもいるようです。(例:「自己負担0で◎◎が買えます」のような謳い文句は不正行為である可能性が高いです。)
業者選定、専門家選定には、十分に注意してください。
補助金専門家をお探しの方は、
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