創業融資は、数年後のピンチに備えて『協調融資』がオススメ!

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創業時は最も資金がある状態ですから、比較的融資が受けやすい時期であると言えます。
しかし、2年、3年が経過し、計画通りに進まず、業績が落ち込み、資金繰りが悪化していたときに、追加融資が必要になってくる場面が想定されます。

創業融資では、日本政策金融公庫を利用される創業者が多いと思います。
しかし、借入残高が残っている状況で日本政策金融公庫に行っても、(業績が伸びている一部の場合は除いて)追加融資をしてくれることはありません。

考えられる次の選択肢として、地域の金融機関に行くことになりますが、いきなりお金を貸してくれることもありません。

さぁ困った!、とならないために、早い段階で地域の金融機関とはお付き合いをしておくことが重要なのです。


さて、今回の記事では、創業数年後の低迷を想定し、本当に資金が必要になった時でも融資が受けられるようなリスクマネジメントとして『協調融資』をご紹介しておきます。

協調融資のススメ

創業融資では、日本政策金融公庫を利用される創業者が多いと思います。

しかし、日本政策金融公庫1つだけに申し込むというのではなく、地域の金融機関からも同時に融資を受けておく、ということが、業績低迷に陥った際に追加融資を受けるための解決策になります。

日本政策金融公庫が提携している金融機関の場合は、『協調融資』となります。
提携していない金融機関の場合は、それぞれにお申込みいただくことになります。

例えば、1000万円必要な場合、1000万円を日本政策金融公庫に申し込むのではなく、例えば、地域の金融機関(信用金庫など)から300万、日本政策金融公庫から700万円というような借り方をするのです。

協調融資とは

協調融資は、「シンジケートローン」とも呼ばれ、大型の資金調達ニーズに対して、複数の金融機関が協調して協調融資団を組成し、一つの融資契約書に基づき同一条件で融資を行うことをいいます。これは、取りまとめ役(アレンジャー)の金融機関(主幹事)が、資金の調達側(企業等)と調整して利率や期間などを設定し、複数の金融機関と分担して融資する方式となっています。

一般に協調融資では、金融機関側は貸し倒れのリスクを分散できる一方、調達側はまとめて多額の資金を調達することができます。また、主幹事行は、貸出金利に加えて、アレンジメントフィー(組成手数料)やエージェントフィーを稼げるため、メガバンクなどは投資銀行業務の一つの柱に位置付けています。
大型の資金調達ニーズに対して、複数の金融機関が協調して協調融資団を組成し、一つの融資契約書に基づき同一条件で融資を行うことをいいます。これは、取りまとめ役(アレンジャー)の金融機関(主幹事)が、資金の調達側(企業等)と調整して利率や期間などを設定し、複数の金融機関と分担して融資する方式となっています。

金融情報サイト iFinanceより引用

協調融資の例

日本政策金融公庫との協調融資 | 城南信用金庫
さわやか創業フォローアップスキーム「順風満帆」のご案内 | ビジネスサポート | 法人・事業主のお客さま | さわやか信用金庫
ビジネスフェア・物産展開催のご案内のページです。さわやか信用金庫公式サイト。預金、ローン、インターネットバンキングなどの商品・サービス、店舗/ATM、当金庫の情報などをご紹介しています。

日本政策金融公庫の協調融資の実績

平成29年11月20日のニュースリリースによると、平成29年9月末時点で、495機関と業務連携・協力にかかる覚書を締結しており、29年度上半期だけで11,138件(前年同期比13%増)の協調融資が行われ、創業融資では、8,912件、うち、信用金庫×創業の組み合わせでは、4,393件、とのこと。
参考:株式会社日本政策金融公庫 ニュースリリースより抜粋

★協調融資に関する記事(2018年1月23日付)

地域の金融機関との付き合い方

創業の時期に、地元の金融機関とのパイプを作ることが最も好ましいと考えます。

それは、多く創業者にとっては創業時が最も資金がある時期であり、比較的融資が受けやすい時期であると言えるからです。

また、金融機関からすると、創業は最もリスクの高い時期でもあるのですが、金融仲介機能のベンチマークの設定があり創業融資を増やさなくてはなりません。
大きな金額を貸し渋るケースや保証協会付融資になるケースがありますが、『協調融資』で日本政策金融公庫が貸すなら、、、と乗っかって貸してくれる可能性が高まりますので、金額が大きい場合に『協調融資』を利用するメリットがあります。

一方で、『協調融資』の場合、連携や審査に時間がかかる点がデメリットになります。


さて、業績低迷、資金が枯渇する時期が来た時の話に戻します。

創業融資で地元の金融機関からの融資を受けていると、少なくとも関係性ができています。
ただお金を借りて毎月返済だけしているだけでは関係性が弱いので、定期的に金融機関担当者と接点を持ち、業績報告などをしておくことが理想です。
積極的な金融機関の場合は、独自開催のセミナーやイベントに参加するのもよいでしょう。

業況が悪くなり運転資金が枯渇してきたときであっても、早めに相談できるような関係性ができていれば、追加融資を実行してくれることが予想できます。

 

 

↓こちらの記事もお読みください。

【保存版】赤字企業でも借りられる『融資獲得のポイント』
一般的には赤字企業への新規融資は渋られるケースが多いのですが、赤字企業の経営者こそ、融資をお願いしたいと思っていることでしょう。どのようにすれば、赤字企業であっても金融機関からお金を借りられるのか、を解説しています。

まとめ

ポイントを挙げると
☑ 創業時は、最もお金が借りやすいタイミング
☑ 創業融資は、日本政策金融公庫+地元の金融機関から分けて借りる
☑ 『協調融資』ができないか、確認する
☑ 日頃より、地元の金融機関とのパイプを作っておく
ということです。


日本政策金融公庫に申し込みの際に、「『協調融資』ができますか?」と聞いてみてください。

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