【まとめ】どんなシステム・サービス・ツールが対象になるの?IT導入補助金(2018年)の要件

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IT導入補助金

の問い合わせが増えてきました。

私の場合、ユーザー企業からのお問い合わせではなく、ITベンダーからの連携の依頼です。
下記に記載していますが、IT導入補助金では、事業計画書策定の支援をITベンダーが対応するケースがあり、ITベンダーでは対応しきれないことから、専門家を頼り、事業計画策定の部分の連携を依頼されてくるのです。

  • 補助率:1/2
  • 補助上限額:50万円
  • 募集開始予定:平成30年3月〜4月頃と推測されます。

 

IT導入補助金で導入できるツールの特徴

・パッケージソフトの本体費用、インストール費用
・クラウドサービスの導入・初期費用、1年分のサービス利用料
・ミドルウェアのインストール費用
・ITツールの教育費用、導入から1年間の保守費用・サポート費用 など

複数業務の機能があるツールであること

少し専門用語が混ざりますが、フロント業務、ミドル業務、バックオフィス業務という表現を使います。

フロント業務とは、顧客向けに使用するツールを指します。
例えば、予約、コミュニケーション、販売・店頭、決済のような業務です。

ミドル業務とは、フロント業務をサポートする社内管理を指しています。
例えば、顧客管理、人事シフト、受発注、原価管理、業務管理(在庫管理、工程管理、人員管理、品質管理)などです。

バックオフィス業務とは、会社経営をサポートする業務を指しています。
例えば、財務会計(経理、決算、税務)、給与計算などです。

ここで言いたいことは、IT導入補助金で導入するツールには、複数の業務に対応しなければならない、ということです。

複数の業務とは、フロント業務、ミドル業務、バックオフィス業務のなかで2つ以上の業務に対応した機能があるツールということです。
HPで予約と決済ができる、という2つ以上の機能があったとしても、いずれもフロント業務とみなされますので、この場合は、対象ツールとは認められません。
複数の業務に該当するには、HPで予約したお客様を管理する顧客管理(ミドル業務)機能がついていればOKです。

私が、IT導入補助金を説明する時に例として挙げているのが、
ショッピングサイトを立ち上げたい場合に、EC-CUBEというツールを活用する、というケースです。
EC-CUBEは、
フロント業務:ECサイト構築、決済、クーポン、SNS連携、メルマガなど
ミドル業務:商品登録機能、受注管理機能、売上管理機能、会員管理機能など
を兼ね備えたECサイトを構築することが可能です。

パッケージ化されたツールであること

IT導入補助金では、自社オリジナルのシステム開発をする場合は、対象になりません。

すでに基本機能がパッケージ化されているツールである必要があります。
インストールできるようなツールや、アカウントを作成すれば使えるサービスをイメージしてください。

ただ、まったくカスタマイズできないか、というと、そういうわけではなく、
基本機能の中から自社に必要な機能を入れていく、メニューを選択する、というようなカスタマイズは可能です。

事務局に登録されたツール&事業者であること

普段お付き合いのあるITベンダーや、過去に制作してもらった業者に対応してもらいたい場合もあると思います。
しかし、IT導入補助金を活用する場合は、事務局にIT導入支援事業者として登録している事業者であり、
登録されたITツールのなかから、選ぶことになります。

また、同一のITツールであっても、ベンダーによってパッケージ内容も異なり、当然価格も異なります。
例えば、mauticというマーケティングオートメーションのツールを提供する事業者の場合でも
wordpress × mauticの組み合わせをパッケージしている事業者もいれば、さらに、ECツールを組み合せてパッケージ登録をしている事業者もいます。

上記にいろいろ挙げてきましたが、要するに、登録済みのツール、登録済みのIT導入支援事業者であれば、補助金の対象である、ということです。
(採択されるか否かは、別問題です)

 

2018年公募にかかる要件のポイント

ポイント1:予算5倍で受給チャンスは高い!

昨年より地域未来投資促進事業の1つとして、サービス等生産性向上IT導入支援事業(IT導入補助金)が始まりました。
昨年は100億円だった予算が、平成29年度補正予算ではなんと500億円まで大きく拡大しています。
そのため、昨年比で約10倍の事業者(13.5万社の想定)の採択が想定されています。

しかも、今後3年間で、計100万社がIT活用を進められるように積極的に支援していく、という方針も発表されています。
100万社というと、日本の約1/3の中小企業・小規模事業者がこの補助金を獲得できる、ということになります。
ただ、100万社分の予算を考えると、次年度以降の公募では補助金額上限が下がっていくかもしれません。

ポイント2:事業者負担が増…

IT導入補助金の予算が増えた一方で、補助率補助金上限額をみると、事業者側の負担が増えることになります。

昨年のIT導入補助金は、補助率が2/3でしたので、事業者負担は1/3でよかったのですが、今年は補助率1/2となり、残り1/2が事業者負担となります。
また、補助金上限額が100万円から50万円に下がります。
数百万規模のシステム投資の場合には、事業者負担が増えることになります。

ポイント3:事業者側の申請負担は少ない

IT導入補助金の特徴でもあるのが、IT導入支援事業者が申請手続きを代行することです。

他の補助金でも必要となる事業計画書や各種申請書類は、IT導入支援事業者(≒ITベンダー)が書類の作成、申請手続きを行っていきます。
事業計画書を書いたことのない事業者様でも、ITベンダー(またはよろず支援拠点やミラサポ登録の専門家)が対応してくれます。

逆を言えば、ITツールの導入だけでない、補助金申請サポートをしっかりとしてくれるITベンダーを選ばなければいけない、ということです。

 

よくある相談事例

無料/安価なツールの導入も対象になりますか?

今回の募集要件では、補助率1/2、補助金額の下限15万円、という要件があります。
少額のツールでは、補助対象とならない場合があります。

一方で、ツールの利用料自体は無料であっても、導入や保守料などで費用がかかる場合は対象となります。
安価なツールを導入しても、1年間の使用料、保守料などで、経費全体が30万円を超えていれば、補助金の対象となります。

注意をしていただきたいのは、少額で導入できるのに、わざわざ補助金を活用するために、過剰な機能を求めたり、過剰なサービスを付けることのないようにしましょう。

欲しいツールが登録されていないようですが、どうしたらいいでしょうか?

知人のITベンダーが提供している予約&顧客管理のパッケージ導入にあたって、IT導入補助金を使いたいのだが、、、という相談がありました。

この場合、先に説明したとおり、ITベンダー側で、IT導入支援事業者に登録、パッケージの登録を済ませることが必要です。
今回も、公募開始とともに(もしくは公募開始前に)IT導入支援事業者やITツールの登録が始まると思われます。

誰に相談すればいいの?何を導入すればいいの?

IT導入補助金を活用するにあたって、どういうサービスを入れていいのか、まったく皆目検討がつかない事業者もいらっしゃることでしょう、、、

そこで、このような事業者様は、IT導入の専門家を頼ってください。
・ミラサポ

※ミラサポでは、年3回まで専門家派遣を無料で利用することが可能です。
私も専門家登録をしており、IT導入支援の対応もしております。

・よろず支援拠点

補助金を使うことを前提とせずに、専門家を通して、まずは現状をしっかりと把握することが必要ですね。
ITはあくまでツールであって、導入すればよい、ということにはなりません。
使いこなせなければ効果を出せないどころか、コストや労力が余計にかかり、挙句の果てに使われなくなる事象も考えられます。

・IT導入支援事業者
すでに導入するシステムが決まっている場合には、IT導入支援事業者に相談をすることになります。

POSレジも対象になる??

POSレジの導入に関しては、軽減税率対策補助金をご活用いただくことがよいでしょう。

軽減税率対策補助金は、要件(軽減税率対象事業者、対象POSレジを導入)を満たせば、支給されます。
⇔IT導入補助金は、応募多数の中から採択されなければ支給されません。

軽減税率対策補助金は、機械設備そのものが補助の対象になりますが、サービス使用料や保守料などは対象になりません。
⇔IT導入補助金は、機械設備は対象になりませんが、サービス使用料や保守料など1年分も対象になります。

※軽減税率対策補助金は、あくまでレジ導入に限定されています。

 

IT導入補助金 申請の進め方

ITツールを探す

ITツール(候補)が決まっている場合は、ITツールが登録されているか検索してみましょう。

29年度の公募時点では、20994ものツールが登録されています。
次の公募にあたって、随時募集がかかり、追加されていきます。

IT導入支援事業者を探す

ITツール(候補)が決まっていない場合は、必要な機能やサービスを持ち合わせているIT導入支援事業者を検索し、連絡してみましょう。

29年度時点では、4454事業者が登録されています。
次の公募にあたって、随時募集がかかり、追加されていきます。

また、ベンダーHPで、「当社の◯◯は、IT導入補助金を活用できます」というような案内をしていることもあります。

申請準備

IT導入支援事業者を主体として、事業計画書などの作成準備を進めます。
事業計画書の作成では、ミラサポやよろず支援拠点の専門家を活用することも可能です。

IT導入補助金は、事業計画で審査され、採択/不採択が決まりますので、過去に採択実績があったり、(私のような)外部専門家のサポートを活用しているようなベンダーさんだと安心だと思います。

申請

申請そのものは、IT導入支援事業者が代行して申請を行います。
システム導入だけでない、事業計画策定や導入後の手続きも含め、全体をしっかりサポートしてくれるベンダーを選ぶことが必要ですね。

 

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