『平成31年度経済産業省関連予算案等の概要』、『平成30年度第2次補正予算案の概要』などから、2019年に公募される経済産業省関連の補助金が見えてきました。
(2019.01.04)新しい情報が入り次第、随時更新していきます。
経営者の高齢化、人手不足、人口減少、災害対策
消費税率引上げ(2019年10月)
長時間労働規制(2020年4月)
同一労働・同一賃金(2021年4月)
に向けた対策として、今回予算化された補助金は、
①「事業承継・再編・統合等による新陳代謝の促進」、
②「生産性向上・人手不足対策」、
③「地域の稼ぐ力の強化・インバウンドの拡大」
④「災害からの復旧・復興、強靱化」
⑤「経営の下支え、事業環境の整備」
を重点的に取り組むことが目的となっています。
中小企業生産性革命推進事業【1100億円】
平成30年度第2次補正予算では、
中小企業生産性革命推進事業として、
ものづくり補助金、小規模事業者持続化補助金、IT導入補助金で
1100億円が予算化されています。
1100億円の内訳は未定ですが、、、
ものづくり補助金:800億円、小規模事業者持続化補助金:150億円、IT導入補助金:150億円と推計しています
その根拠としては、
ものづくり補助金は、800億円程度の予算がつき、
10000社の採択予定、と記載がありました。
小規模事業者持続化補助金は、20000者の採択が予定されておりますので、
昨年同様120億円から150億円程度の予算が考えられます。
IT導入補助金は、昨年度予算500億円を消化しきれず、ニュースにもなっていました。
そのため、IT導入補助金の予算は、昨年度500億円から大きく減ることが予想でき、
1100億円から逆算すると、150億円程度になるでしょう。
ものづくり補助金(ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金) 予算:800億円
ものづくり補助金は、
生産性向上に資する革新的サービス開発・試作品開発・生産プロセスの改善を行うための設備投資等に対して補助金を交付する制度です。
①一般型
補助率:1/2
補助上限額:1000万円
②小規模型
補助率:小規模事業者2/3、その他1/2
補助上限額:500万円
ポイント1:予算微減(予想)に伴い採択率も低下!?
昨年度の予算1000億円、約12000社の採択件数に対して、
800億円の予算、10000社の採択予定、と若干の予算減少となります。
ものづくり補助金は、平成24年度補正予算からスタートして今年で7年目、認知度は十分に上がっています。
応募は相応の数が予想されますから、
予算が少なくなれば、競争率は高くなり、採択率も下がることが見込まれます。
今年のものづくり補助金では、現時点で2次公募の案内も出ています。
過去の傾向として、
早めの申請の方が申請件数が少なく、採択率が高くなります。
※過去の採択率は以下ブログ記事をご覧ください。
平成24年度補正から、直近に募集されたものまで、(通称)ものづくり補助金の採択件数、採択率をまとめています。
ポイント2:加点要件などは前年と同等
先端設備等導入計画や経営革新計画の承認によって、補助率が1/2から2/3へアップ
専門家活用で補助上限が30万円アップ
など、加点要件などは昨年同様と推測できました。
ただし、
平成30年12月21日の閣議決定後に新たに申請し承認を受けた場合
という条件が記載されていました。
したがって、昨年中に先端設備等導入計画や経営革新計画の承認を受けたからといって
補助率アップや加点要件に適用されるとは限らない可能性があります。
※あくまで未確定の情報です。
特に、先端設備等導入計画については、審査に多大な影響を与える配点が加えられたようです。
申請前の準備が補助金額に大きく影響してくるようです。
ものづくり補助金は、事務局が決定後に募集が開始される、
という案内が出ていますので、
2019年2月には公募が開始されることが予想されます。
準備は早めに進めていきましょう。
[amazonjs asin=”4865438351″ locale=”JP” title=”緊急出版!! 事例で学ぶ ものづくり補助金申請書作成 虎の巻 – 平成28年度補正完全対応版 (MyISBN – デザインエッグ社)”]事務局が決定後、実施事務局が、中小企業・小規模事業者が行う革新的サービス開発・試作品開発・生産プロセス改善のための設備投資等の一部を補助する事業の、事業者向け公募を行います。これは、平成30年度補正予算の成立後、速やかに実施する予定です。
なお、事業者の事業実施期間を可能な限り長く確保する観点から、上記公募の際には、約2か月の公募期間を設けるほか、早期に公募を締め切って審査し、採択発表を速やかに(可能ならば年度内に)行うことを検討中です。
また、夏以降に2次公募を行うことも予定しています。
ものづくり・商業・サービス高度連携促進事業 予算:50億円
※当事業は平成31年度予算で、
平成30年度補正予算 中小企業生産性革命推進事業のものづくり補助金とは別枠予算50億円、となっています。
③企業間データ活用型
中小企業等の連携体が事業者間でデータを共有・活用することで生産性を高める高度なプロジェクトを支援。
補助率:1/2
補助上限額:2000万円/者
④地域経済牽引型
複数の中小企業者が、地域経済牽引事業計画の承認を受けて、地域の特性を生かして、高い付加価値を創出し、地域経済への波及効果をもたらすプロジェクトを支援
補助率:1/2
補助上限額:1000万円/者
IT導入補助金(サービス等生産性向上IT導入支援事業) 予算:推計150億円
- 補助率:1/2
- 補助上限額:450万円
ポイント1:補助上限額が大幅増加
昨年は50万円だったIT導入補助金の補助上限額が、
450万円まで大幅にアップしています。
これにより、大型のシステム投資を希望する企業の申請が増えてくるものと思われます。
ポイント2:対象となるシステムは限定される!?
日々の経理を効率化する会計ソフト
顧客情報等を一元管理するクラウドシステム
職員間のコミュニケーション・システム
飲食店のセルフオーダーシステム の導入・設定費用等が含まれます。
という記載がありました。
昨年まではHP制作も対象ツールとなっていましたが、
HP制作など対象から外れるツールが出てくる可能性も出てきます。
※あくまで推測です。
ポイント3:採択率は厳しくなる
昨年は13.5万社の採択を見込んで、500億円が予算化されていましたが、
大幅な未達となったことから、(私の推計で)150億円程度まで予算は縮小されることが想定されます。
IT導入補助金は、私の知る限り、100%の採択率でしたが、
予算縮小と合わせて、補助上限が上がったことで、
採択件数は大幅に少なくなり、審査も厳しくなると思われます。
小規模事業者持続化補助金(小規模事業者持続的発展支援事業) 予算:推計120〜150億円
小規模事業者(※下条件を満たす)が実施する
販売促進に係る経費の2/3、最大50万円
が交付される制度です。
小規模事業者とは、常時使用する従業員
≒正社員の数で定められていて、
小売・卸・サービス業:従業員数5人以下
上記以外の業種:従業員数20人以下
に該当する事業者となります。
上記要件に該当すれば、
法人でも個人事業主でも応募可能です。
ただし、医療法人、一般社団法人、NPO法人など
は応募対象外です。
補助される経費の一例として、
・新しい設備機器の購入
・HPやチラシなどの制作費用
・試作品やサンプル品などの材料費や制作費用
・ポスティングや新聞折り込み費用
・雑誌などの紙面広告への出稿費用
・展示会への出展費用
・看板の取り付けや内外装などの店舗改装費用
など、
販売促進にかかる経費が対象となります。
20000者の採択を予定していることから、昨年の採択件数約18000者と近い予算(120〜150億円程度)が組まれると思います。
詳細情報はありませんが、
例年通りの要件ではないかと思われます。
- 補助率:2/3
- 補助上限額:50万円
また、自治体連携型の持続化補助金も
自治体連携型持続化補助金として新たに10億円が予算化されています。
採択件数などは以下のブログ記事をご覧ください。
事業承継・世代交代集中支援事業【50億円】
事業承継補助金
事業承継・世代交代を契機として、経営革新や事業転換に挑戦する中小企業者に対し、設備投資・販路拡大・既存事業の廃業等に必要な経費を支援します。
詳細は出ていませんが、昨年同様ではないかと思います。
① Ⅰ型(後継者承継支援型~経営者交代タイプ~)
事業承継に伴う経営革新等の取組を支援。
補助率2/3、補助上限200万円(事業転換を伴う場合は500万円)
② Ⅱ型(事業再編・事業統合支援型~M&Aタイプ~)
地域・業種における再編・統合等に伴う設備投資等の取組を支援。
補助率2/3、補助上限1000万円(事業転換を伴う場合は2000万円)
ポイント1:重点施策につき、予算は大幅拡大
政策の目玉とも言える分野で、事業承継5カ年計画が動いており、一昨年の2億円、昨年の30億円に対し、今年の予算案では50億円まで拡大することになっています。
ポイント2:高い採択率が期待できる
予算が拡大した昨年は以下のように高い採択率になりました。
Ⅰ型(後継者承継支援型~経営者交代タイプ~)は、
829件の申請件数に対し、653件の採択、採択率は78.8%
Ⅱ型(事業再編・事業統合支援型~M&Aタイプ~)は、
263件の申請に対して144件の採択、採択率54.8%
予算はさらに拡大される見込みであり、かつ、
事業承継は、上記で紹介した補助金と比べなかなか応募者が増える分野ではないため、
高い採択率が期待できます。
同一補助金が続くと、採択率は、年々厳しくなる傾向にあります。
申請を検討される事業者様は、補助金制度の理解、ビジネスプランの作成、事業計画書の作成など、お早めにご準備いただくことをオススメします。
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