加点、減点、優先の話[小規模事業者持続化補助金(平成29年度補正予算対応)]

Pocket


2018年3月9日から、平成29年度補正予算 小規模事業者持続化補助金の公募が始まりました。

小規模事業者持続化補助金は、事業計画書に100点満点で点数が付けられ、点数順に上から採択が決まっていきます。
しかし、審査における加点・減点・優先を知っておけば、自社の申請が有利か不利かがわかります。

加点調整

審査ポイントとは別で、加点となる要件は5つあります。

①生産性向上加点

公募要領に書かれているのが専門的な用語ばかりなので、要約しますと、以下の2つが満たせれば加点となります。

    • 事業所のある自治体が、導入促進基本計画(設備投資に対して、固定資産税の税率をゼロとする制度)の対象地域である

導入促進基本計画の税率は自治体によって異なり、ゼロである自治体、でなければなりません。
加点対象となる自治体一覧(4月3日公表分)よりご確認ください。

    • 新たに導入する先端設備等に関する「先端設備等導入計画」の認定申請を行う意志がある

審査の段階では、意思表示だけでOKです。

【解説】先端設備等導入計画とは?概要から申請準備までを解説します。
中小企業の生産性革命実現のために中小企業が設備投資を通して労働生産性の向上を図る「先端設備等導入計画」を策定し、市区町村が認定すれば、固定資産税の特例措置(最大3年間ゼロ~1/2)や、補助金審査の加点等が得られます。当ブログ記事では、「先端設備導入計画」の概要や申請に関連した内容をお伝えします。

不思議なことに、導入する先端設備は、小規模事業者持続化補助金の補助事業に関連する設備でなくても加点する、というちょっと不思議な加点要件です。。。

ただし、補助事業完了までに「先端設備等導入計画」の認定申請を行わないと、補助金は交付されません。

「生産性向上加点」の付与を希望する事業者は、下欄の経営計画の「4-2.今後の設備投資計画」に、今後数年間の間における設備投資計画を記載するとともに、同欄内の、「生産性向上特別措置法に基づき、「導入促進基本計画」を制定し、認定を受けた事業者が実施した設備投資に対して固定資産税の税率をゼロとする制度を実施する市区町村に対して、当該市区町村に対し、その地域内に新たに導入する先端設備等に関する「先端設備等導入計画」の認定申請を行う意志があるか」について、「認定申請を行う意志がある」にチェックを入れ、先端設備等の導入(設置)場所の市区町村名を記入することが必要です。
*「4-2.今後の設備投資計画」に記載する新たな設備投資予定は、補助事業計画書における補助事業の取組内容や、今後、市区町村に認定申請を行う「先端設備等導入計画」の対象設備である必要はありません。
補助事業完了後、実績報告書の提出期限(補助事業完了日から30日以内、または平成31年1月10日のいずれか早い日)までに、実際に市区町村に提出した「認定申請書」、および当該市区町村から交付された「申請書の受領証」それぞれ の写しを日本商工会議所へ提出することで、交付決定時の条件が満たされる
*交付決定時の条件を満たせない場合には、補助金の交付が受けられないことになる

②経営力向上加点

経営力向上計画、という制度もあり、2018年2月28日時点で承認を得ている事業者の場合、小規模事業者持続化補助金の審査で加点されます。

公募開始時点で承認を得ていない場合、加点を得るための対応は特にありません。

固定資産税が3年間減免される新制度
...

③事業承継加点(60歳以上&後継者&様式6)

平成29年12月31日現在で、代表者の年齢が満60歳以上の事業者であって、かつ、後継者候補が中心となって補助事業を実施する事業者である場合には、様式2の1ページ目にある入力チェック欄と、様式6事業承継診断票を提出することによって、加点となります。
※様式6事業承継診断票は、最寄りの商工会/商工会議所が作成します。

平成28年度では、この加点比重が大きかった、というような噂がありました。
公募要領にも、

前回(平成29年4月公募の「平成28年度第2次補正予 算事業【追加公募分】」)での対応をさらに進め、小規模事業者の円滑な事業承継を進めていただく政策上の観点から、代表者が高齢(満60歳以上)の事業者における事業承継に向けた取組の促進や、後継者候補が積極的に補助事業に取り組む事業者、経営計画の一環として「事業承継計画」を作成する事業者への重点的な支援を図ります。

と記載されているため、③および④の配点は大きいものと思われます。

④事業承継加点(年齢制限なし&後継者&様式2−2)

③では、経営者の年齢が条件になっていましたが、④では、様式2−2事業承継計画を作成した事業者に加点が加えられる、というものです。

将来の事業承継も見据えた経営を重点支援する観点から、今後の事業承継に向けた計画(事業承継計画)を作成し、申請時に提出した事業者

様式2−2事業承継計画は、様式2経営計画書と共に内容が審査されることとなります。

年齢制限がないから、といって安易に加点を狙おうとする方が出そうなので、先にお伝えしておきますが、、、
中身の伴っていない事業承継計画書を作ってしまうと、事業計画書そのものと整合性が取れてなく、マイナス評価にもなりかねません。
お気をつけください。

【特集】小規模事業者持続化補助金の申請に関する記事をまとめました(平成29年度補正予算対応)
平成29年度補正予算 小規模事業者持続化補助金の採択に向けて、過去のブログ記事などをまとめました。過去の採択事例や支援実績を踏まえて、公募の概要、書き方のポイントや申請時の注意点など、要点を抑えて端的にまとめたブログ記事です。小規模事業者持続化補助金を申請してみたい方、申請を検討されている方、申請準備をされている方、はチェックしてみてください!

⑤過疎地域加点

過疎地域という極めて厳しい経営環境の中で販路開拓に取り組む事業者を重点支援する観点から、「過疎地域自立促進特別措置法」に定める過疎地域に所在し、地域経済の発展につながる取り組みを行う事業者

過疎地域自立促進特別措置法で定める過疎地域は、
総務省ホームページ「過疎対策」にある、「過疎地域市町村等一覧(平成 29 年4月1日)」をご確認ください。

「過疎地域自立促進特別措置法」に定める過疎地域に所在していれば加点される要件ですので、書類作成などの必要はありません。

減点調整

過去の補助事業者

過去に採択された補助事業者は、実施回数に応じて、段階的に減点されます。

どの程度の減点になるのかはわかりませんが、逆に言うと、今回初めて採択を狙う事業者にとっては追い風です。

過去の採択者が意識する『異なる事業』のニュアンス[小規模事業者持続化補助金]
...

優先調整

小企業者

今回も、従業員5人以下の事業者(小企業者)を5割以上採択させるということです。
小さな会社や、個人事業だから難しい、ではなく、小さな会社だからこそ、この補助金を活用してもらいたい、ということですね!

自分で書ける計画書作成ノウハウを入手して採択を勝ち取ろう![小規模事業者持続化補助金(平成29年度補正予算対応)]
小規模事業者持続化補助金では、様式2経営計画書と様式3補助事業計画書が審査されます。しかし、計画書を書いたことがない人、補助金申請が初めての人にとっては、計画書作成は大きなハードルです。これまでに106件の補助金採択を獲得してきたノウハウを『ガイド文付き計画書様式』として広く公開しました。書き方・構成がガイドされた計画書様式を使えば、計画書作成の負担が減り、採択の可能性が高くなります。

 

この記事が気に入ったら
いいね ! をお願いします!

Pocket